いずれ成り上がる凡人の少年 最強の女神に溺愛され運命を切り開く
武田 健太郎
第1話 戦績は350戦1勝 349敗だ
第1部
第1章 別れと出会い
「おい、レモンド。お前とは今日で終わりだ」
そう話しかけて来たのはマドリード市でBランクのパーティー、疾風を率いるモレル。
「今日まで有り難うございます。皆さんのお陰で沢山勉強になりました」
俺が名一杯のお辞儀をする。そう、俺は今所属していたパーティーを抜ける。だが、けして追い出された訳でなはい。円満退社したわけだ。
言い訳じゃ無いからね。絶対に言い訳じゃ無いからね。って誰に言い訳してんだ?
「レモンド、これはお前の取り分だ。でも俺達のパーティーを離れると収入減るぞ。良いのか」
「はい、心配して頂いて有り難うございます。でも俺大丈夫です。いずれ最強の冒険者になりますから」
「はは、始まったな。レモンドの最強冒険者」そう言って笑うのはパーティーの魔法使い。モレルの妻、マンタールだ。
モレルとマンタールと別れ何時もの宿に来る。
「いらっしゃい。ってあんたかレモンド。
あんたまたパーティー止めたって! いい加減にしろよ」
そう話しかけて来たのは俺の常宿、鷹の宿の娘で俺の幼染みのリアルだ。俺はリアルを無視して食堂に入る。
「リアル、油売って無くていいから部屋片付け来てくれ」
親父さんのカトレーゼの声が響く。カトレーゼはおおよそ宿屋の主人と思えない強面な顔に古傷があり、初めての人はその顔の余りの怖さに失禁することが有る程だ。
そしてこの親父の娘なのにリアルは可愛い。マドリード市の女神と言われ、ストーカーがあらわれる位、可愛い女子なのだ。
「でもレモンド、リアルの言う通りだ、何時までもボッチじゃ大変だぞ」カトレーゼが心配して言って来る。
「心配無いよ。俺、絶対 最強の冒険者になるから」
「ブッッッ」「どの口が言ってんだよ。あんた万年Eランクだろう。あ、違った最近Dランクになったんだ」リアルが食堂に顔を出し言って来る。
「うるせ~。いつかは父ちゃん達を越えて最強の冒険者になる。それが俺の目標だ」
俺のお父さん ドレスト ハートは勇者の称号を持つ冒険者。
母さん メフィス ハートは大賢者の称号を持つ冒険者。
つまり俺はそんな偉大は両親から産まれた言わば冒険者のサラブレッドだ。
だから、子供の頃から武術や剣術、格闘術を学び練習も欠かした事は無い。
だが如何せん才能がない。それも見事なまでに。
何せ去年15才の誕生日に冒険者になり一年かかってやっとDランクになった。
この国、マンチェッタ国では15才で成人となり、冒険者登録が可能になる
冒険者のランクはFランク いわゆる見習い期間を終えて、およそ2ヶ月程度で自動でみんなEランクに昇格する。
ランクは下からFランク (見習い) Eランク (初心者) Dランク (一人前) Cランク (ベテラン) Bランク (優秀な人材) Aランク (国を背負う冒険者) Sランクは勇者、賢者等の称号を持つ者(一騎当千の冒険者)
と言うランク別けになる。
みんなCランクかBランクまで進み安定した生活を送り、50才で定年を迎えることを目標にしている。定年後は年金が入るシステムが有る。当然ランクによって入る年金が違ってくるけど。
殆どの者は半年もせずEランクからDランクに上がる。まあ、それが当然なのだが。
そんな中、俺は一年以上をかけてDランクに昇格した。その後色々なパーティーから声をかけてもらったが、まともに一週間と続いた事が無い。
だから俺は1人でやるしかない、わかっている。
だからこそ強くならないといけない。誰よりも強く、最強の冒険者にならないといけない。
「所でレモンド、夜は訓練するのか」カトレーゼさんが聞いて来た。
「お父さん、いくらやってもレモンドには無理だよ。レモンドも自分の事は知るべきだよ」
「うるさいぞ、リアル。カトレーゼさん今日もお願いします」リアルに文句を言ってカトレーゼにお願いをする。
「所でレモンド、お父さんとの対戦成績は?」リアルが笑いながら聞いて来た。
「ふ、聞いて驚け。350戦1勝 349敗だ。それも1勝はカトレーゼさんの腰痛で不戦勝だ」そう言い放つとガッツポーズを取る。
リアルが驚きを通り越したのだろう。心配してきた。
「レモンド、大丈夫なの。お父さん手加減できない人だから、あんた頭打たれ過ぎたのね。だから、グズ……。壊れたんだね。グズ……ゥゥ、
ウウゥ…………。
心配しなくて良いぞ、あんた1人位なら私が食べさせてやるよ」
「おい、リアル。親の前で大胆な告白は止めろ!
それにレモンドは弱く無い、その辺のBランクにも剣術と格闘術じゃ負けない位強いぞ。後は経験だ。
ってリアル? お父さんの話しを聞いてる?何時までもそうやってレモンドに抱きついているのかな?」
カトレーゼさんが泣きそうな顔でリアルを見る。
カトレーゼさんはリアルに無視されている事がよっぽど辛かったのだろう。その夜はカトレーゼさんに木っ端微塵になるまでやられて訓練が終わる。
良日、ギルドに来た。受付に俺のアイドル。シルフィーユさんがいる。
シルフィーユさんはエルフでギルマスの奥さんらしい。アイドルといっても恋愛感情は無い。俺みたいな出来の悪い奴にもいつも優しく接してくれる人だ。そして常にどうすれば良いか相談に乗ってくれる、いわゆる憧れだ。
「おはようございます、シルフィーユさん」
「あら、お、おはようレモンド君? どど、どうしたの?
モンスターにやられたの?ギルドにくる前にダンジョンにでも入ったの?」
俺はきょとんとしながらも考えた。
「昨日、カトレーゼさんとの訓練でやり過ぎてしまいました」
そう説明するとホっとした顔をしながら怒られた。
「レモンド君。心配するから顔の腫れは引いてから顔だしてね。レモンド君に何か合ったら私…」
「すみません、シルフィーユさん。今後気をつけます」
「後でカトレーゼにも話をしないといけまんね。今日の帰りに私も鷹の宿に一緒に行きます。レモンド君、わかりましたか?」
「はい?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
改めてよろしくお願いします。作者です。
前回は題名をつけていなかった為、この作品は1話1話題名を付けてみました。
そこで思いしりました。私はネーミングのセンスが無い。( ノД`)… まあ、しょうがありません。
初めての方も含めどうぞよろしくお願いします。(^o^)/
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