第9話 孤児院の仲間ポロ


 それは、まだこの世が安寧にあふれていた頃、爽やかな風の流れを感じていたあの頃。その前庭にある坂を登った上に立つ一本の木を思い出す。その木の近くのコンクリートの階段の上段で、「ポロはいつも笑ってるね」とカイは羨ましそうに言った。


「えっ!笑」


 彼女は自分がいつも笑っていると言うことを自分自身気づいていないようだった。


 彼女は、そのキャラクターから、特に下級生に人気があった。彼女は子供好きであり、恐らく仲の良い同性の年下のいとこがいたことから、扱いに慣れていたからかもしれない。


『「にゃあー」って言ってー』そうポロに言う同性の可愛い下級生の言葉が聞こえる。


「にゃあー」


「やったー言ってくれた!!」


「おんぶしてー」


「仕方ないなあー」


 そう言いながら、学校で下級生(2年生)をおぶる、そんな優しい子だった。


 そして、俺はいつもそれを「微笑ましい」と感じながら見ていた。


「あの子気さくだよね」と先生の声がする。「君は飲み込み早いね」書写の先生が言った。


 それがあの子に対するみんなのイメージであり、卒業写真に移る彼女の笑顔は誰よりも眩いものだった。俺はそんな懐かしい友人の夢を見た。


―あの頃の友達は、みんな私のことを昔のイメージのまま保っているのだろうか。そんなことを今の私は思っている。


「写真の顔はいつも笑っているのに」


 そんな言葉が虚しく響く。


 過去を思い出した。


「ポロちゃん笑」


「もう違うから」


 部活の試合でたまたまあった中学校が離れて久しぶりにあう仲の良かった小学校の友人を目の前に、そう今の私を知っている友人が言葉を遮った。二人は一緒の小学校で友達だった。


 そして、私は結局久し振りに会った、喋りかけてくれたの友人とは一言も話すことはなかった。そして、その自信のなさはそこからもっと加速していった。


「誰とも話せない。昔仲良かった友人なら、きっと話せると思っていたのに…」


 私の中から笑顔は消えた。何か大切にしていたものが、思い出が、希望が潰えた気分だった。そんなことがあったのも、もう何年前だろうか…


 今の私は笑顔もなく喋る行為さえ忘れている、あの頃の面影なんてない。そんなことになってから久しいので、昔一番の友人だと思っていた人とさえ、どう笑うか、どう喋るのかさえわからない。あの頃から本心から楽しいと思えることは一つもない。相談できる友達さえいない、もう何も感情もない。


「あの時、私は何も出来なかった…」


 そんな後悔を思い出していた。何が原因かはわからない、私は、人と喋ることができなくなった。中学入学後、喋らなくなった私だったが、なぜか部活に入っており、部活帰りの下校は小学校が一緒だった同性の友達とその時までは惰性で帰っていた。私と彼女は昔、張り合っていて、仲が悪いときも長くあったが、それ以外の時は基本仲が良かった。クラブ活動や係も一緒で放課後もよく遊んでいた記憶がある。結局長く対立した後は、小学校の最後の方で、先生の道徳のような話をきっかけに仲直りした。中学、部活動の帰り、私と彼女は部活のみんなと別れ、最後に二人きりになる。物静かな片田舎の人がいない小さな全面式アーケード道の前。そんな彼女に二人きりになったあと、突然こんな言葉を言われた。


「なんで喋らないの!!!?」私はそんな言葉でさえ返せなかった。小学校の時、仲が良かった友人のその言葉でさえも私は返せなかった。とても悲しかった…。それからその出来事を思い出しながら何度も泣いた。悔しかった…でも喋れない理由も自分でもなにがなんだかわからなかった。


 そして教室でも異性からこんな噂が流れていた。


「ポロさん昔はかなり喋ったらしいよ」「ポロさんといっぱいしゃべりたかったな〜」


 私はそれに深く傷ついた。


「私だって、好きで喋らないわけじゃないに。私だってみんなと楽しく喋りたいのに。」


 そんな感情は、私の心の中だけで虚しく鳴り響いた。だけど、そういう風に私を話題に出してくれる人や、喋らなくても私を可愛がってくれる人、それは私の中では暖かい存在だった。それだけでいいとさえ思った。


 それからもしばらく一緒に帰っていた彼女からは、喋らない私に対して、いつもぎこちなく話しかけていることがわかった。だけど私は、何も返すことはなかったか、最小限の返事をしただけだったと思う。昔の私の性格を知っている彼女はやはり、私に対して相当気にしているようでそれに答えられない私が情けなかった。


 いつか、そのアーケードの中にあるカフェに二人で立ち寄った。彼女はそこの店長とこんな話をしていた。


「ポロ、昔はいっぱいしゃべったのに」


「ポロがいっぱい喋ったら怖いよ笑」と店長は言った。私は黙ったままそれを聞いていた。そうみんな昔の自分なんて知らない。当然だった。こうやって記憶は上書きされていくんだろうと思った。


 そして、いつの間にかそんな友人とも距離ができていた。もう彼女は、あまり喋らなくなった私といることに疲れたんだと思う。そのうち私が喋れないことが彼女の当たり前になったんだと思う。


 いつも私も昔の沢山喋れた頃に戻りたいと思っていた。彼女に帰り道、昔と今どっちがいいと聞かれた時には「昔」と頑張って声を絞り出して答えた気がする。そして彼女は静かに言葉を発しそれに同意してくれた。彼女は最後まで、本当の私を見ていてくれた、本当の自分に戻って欲しい、そう願っていてくれた、そう思う。だからこそ、あれから彼女はずっと私に対して、中途半端に接するわけでもなく、毅然とした態度で私と話さなかったのかもしれない。私は周りを傷つけ過ぎた。


 私はその他の仲の良かった友人とも喋れなくなった。引け目を感じるようになり、自分に自信がなくなり周囲からの尊敬や信頼や友情の類がなくなっていくのに責任感や虚しささえ覚えた。


 そんな私は、人生を上手く操縦できなくなったことについて、諦めた。傷つき過ぎた。楽しく喋るということを諦めた。本当は私は友達が大好きだった。みんな大好きだった。だから仲が良かった友達がみんな離れていくのを見た時、本当に悲し過ぎた。切な過ぎた。ずっとそんなことで悩んで悩んで泣いていた。


 いっそのことみんな私から離れて後悔すればいい。離れていった彼女たちを見た時、苦し紛れにそう思った。私がいなくなったらきっと何もできない…そんなはずないのに…そんなことを思っていた。


 喋らないということは、多かれ少なかれ、本当の気持ちと裏腹だとしても、縁を切るということになってしまう。それでも続く友情なんて、きっと求めすぎなんだ。そう思った。そんな悲しかった思い出を思いだしていた。


 そして、「あの頃のアルバムの笑顔と私の性格、声は消えたの」そう涙ながらに言った。


 俺たちは、ドユイの紹介もあり、修行の為山に向かっていた。修行といっても、休息に近いものだった。ポロのことを夢に見たその当日だった。目的地に向かっている、その道中ガオの側近は俺たちを待ち伏せていた。そしてそこには見覚えのある顔があった。あれは紛れもなくポロが少し大きくなった姿だった。


「ポロ大丈夫だったのか!?」


「・・・」


「ポロ、俺がわからないのか!?」


「・・・」


「ポロはかつて笑顔で元気な子だった・・・」そう夢の中で思い返したのに。その感情は無残にも消え去る。


 彼女の表情には笑顔がなく、何か引きつったような顔だった。何かを恐れているかのような。俺は、こうも変わってしまったポロの心に悲しみを感じずにはいられなかった。


 一向に喋ろうとしないポロ。そうしている間に近くにいたガオの側近が敵意をむき出しにしてくる。


「くそっ、やらなきゃやられるぞ!」


「ポロやっちまえよ」と側近であるセスクが言った。


「・・・」


 そのガオの側近の言葉にも何の反応も示さなかった。


「まあいい俺からいこう」そうセスクは言った。


 俺にはわからなかった。精一杯考えた。なんで喋らないのか。しかしすぐに答えは出なかった。考えている間にも相手は攻撃を仕掛けてきた。俺たちも戦闘体制に入る。


「ムーンサンシャインスピア」


「バリア」みづきのバリアでなんとか防ぐ。


「いくぞ!はああああ!!!


 渾身のカイの一撃は微小の差で避けられてしまった。


みづきは魔法を唱える。「ウォータースプレッド!!」


「なんだその威力は…ぐああ」セスクにダメージを与えた。相手が怯んでいるうちに少し離れた位置にいるポロにゆっくり話しかける。


「ポロなんで喋らないの!?」


 カイは話しかけるが、ポロは一向に無言だった。


「…」


「クソッ、ポロが喋らないのには何かわけがあるのか・・・」


 セスクが態勢を持ち直し話し始める。


「お前、嫌われてるから、話さねーんじゃねえの。家ではたくさん話してるぞ。」


セスクが言う。


「だけど可笑しいな、今は全く喋らないな。ハハハ」


「なんでだよ!くらえ、ブレーブ・エレメント」


 カイの一撃はセスクに直撃だった。


「本気で行くわよ!レッドストーン!!!」


 みづきの魔法はセスクに襲いかかる。


「なにー」


 しかし、セスクはまだ体力が残っているようだ。


「こうなったら、仕方ない一旦戻るぞポロ。」


「逃がすか!!!」


カイは剣撃を放った。しかし、それは無情にも、素早かったセスクには届かなかった。


「俺の知っているポロは消えたのか・・・」ただ呆然と、遠くに消えていくポロ達を眺めていた。





―数時間後―


 その後、家で一人にきりなった時、ポロはカイのことを思いながら号泣していた。そして、カイのあの言葉はかつての親友に言われたあの悲しい過去を思い出させた。どうしようもない絶望、ショック。このまままた何も言えずに離れていってしまうんじゃないかという不安。


「なんで私カイの前では喋れないの・・?なんで自分カイたちの前では喋れないの?昔は話せたはずなのに・・・好きなのに・・・」


 あの世界には、ガオの強靭さに屈服し、そうすれば楽になれるからと、ガオの言いなりになりきってる人種と、ポロのように、苦しみながら生活している二種類の人種がいた。


 彼女もあの時より大きくなっていた。その反面、家ではこのような言動が繰り返される。毎朝繰り返される彼らの喧嘩のとばっちりをいつもポロは受けていた。


「おい、アリお前反抗ばっかりしてんじゃねーよ!仕事しっかりやれよな!」


「ガオふざけんな、あんたが言わないから悪いんでしょー!!!」


「なんだとーこのー」


 口喧嘩に負けたガオが二階に早足でドタバタ上がってくる音がする。そしてポロの部屋を開けて、ガオは言った。


「おい、お前!!!!早く起きろよ!!!!いつまでも寝てんじゃねーぞ!!!!!」


 カイがいなくなってから、毎日のように続いていた夫婦喧嘩、そのとばっちりは「大きくなったから」という理由でポロは受けるようになった。 小学から彼らの喧嘩は多かったが、彼女が被害をこうむることはなかった。中学生になって彼らのリミッターが外れたのだろう。本心が露わになったのだろう。もう大きいんだから傷つけていいんだと。


 ポロはそのような精神的ショックから、言葉が話せなくなった。正確には、ガオに反抗する時だけ、怒りの感情に任せて話すことができた。それは本当に酷いことをされた時だけ反射的に言葉を発している感じだった。


 彼女は憂鬱になり過去を思いだしていた。


「大好きな歌も声が掠れて出ないよ。みんなからも、声どうしたの?ポリープ?って酷い人には声出せよって怒鳴られる。」


「なんでなんで声出ないのに声出せよとか声聞こえないとかで部活の先生とか友人に怒鳴られるの泣。私の力だけじゃどうにもならなかったのに泣」


「なんで私の声は、通らなくなってしまったの?騒がしいところでは全く通らないよ。治るの?こんな状況がいつまで続くの?」


「楽しく喋れない人生なんてつまらないよ泣」


 でもポロは喋れない理由が何が何だかわからなかった。理由は彼女自身も思い耽んでいた。しかし明確な答えなどは一切出なかった。


「かすれる。声を出そうとしてるのに、掠れて声が出ない。声にならない。辛い。周りの圧が、強弁が私の声を封じ込める。」その日彼女はそんな悪夢を見た。


 そんな中俺たちは、山中にいた。ここはお寺である。


「みづき、あの子は昔あんな子じゃなかった。もっと優しく安らぎを与えてくれて、笑顔で楽しい少女っだったのに。なんで…」


「カイ、大丈夫?…」とみづきは慰めるように言った。


「…ここが心落ち着かせられる場所で良かった。もう一度会ったら昔のように話せると思っていたのに…」そうカイは言った。


「きっと大丈夫よ…」


 その後も彼女はカイのそばに居続けた。居てくれるだけで暖かかった。そんな時間が過ぎ、お坊さんの声が響く。写経をするみたいだ。


「心を落ち着かせて、まずは写経から入りましょう。正座をしてください…最後に自分の願いを書いてください。終わった人から、夕食の準備をしましょう。」


「世間から、俺のような人達が認知されるようになること」と。俺はそう紙に書き綴った。そして、夕食の準備をし夕食を食べ、せわしく過ぎていきあっとゆう間に夜になった。


「この田舎の星空は、都会では見えない綺麗さね」


「ああ、まるで疲れた心を癒すようだよ。ただ、こんな綺麗なものを見たって現実は変わらない。いつまでもこのままでいるわけにはいかないんだ…」


「うん…」


 俺たちは知らずに眠りについていた。気づけば朝だった。


 そして、朝6時過ぎ、俺たちはもう、旅路に戻っていた。俺たちは、その後、山の上の神社まで歩いた。道中ではいくつもの山が繋がる荘厳な景色が見えた。縁結びの神社へと向かっていたその細い道。そこに再び、彼らが現れた


「嫌!!!!!」


 そうカイを捕まえる命令を今日も出されたポロが言った。それでも彼女は連れて行かれる事になる。


「よしっあいつら見つけたぜ!」とセスクは言った。


「今日は俺もいるからな、ほらいくぞポロ」とユニファーが言った。


「・・・」ポロは無言だった。


「よく私の友人をいじめてくれたな」ユニファーは言った。


「お前ら!!」とカイはいった


「・・・」


 ポロは黙ったままだった。


「ポロお前あいつと友人だったんだろ?仲良くすれば!!?」とセスクが言う。


「・・・」


 何も話さなかった。


「みづき、颯爽と勝負をつけてポロを取り戻すぞ。俺思ったんだ、喋らなくても俺を嫌ってるわけじゃないって!!そう信じたいって!!!!!」


「うん!」


「スターリィースカイ」


 俺とみづきで、セスクやユニファーを短時間でやっつけた。


「フハハッ俺たちを倒したところでお前の知ってるポロには戻らないだろう…」そう地面に倒れこみながら、セスクは言った。


「だってお前たちは、何か喋ったら、強い口調で言い返したりポロを怒鳴ったりするんだろ?それ絶対間違ってんじゃんって。そんなのが毎日続いたら、話すのが怖くなるのは当然だ…人を怖がるようになるのは……命まではとらない。さっさとここから消えろ!!!」カイはそう言った。


 そして二人は逃げた。


 その瞬間、私は話を聞いて納得が言った。今まで自分の中でずっと探していた答えを彼は導き出してくれた。そんな気がした。そして自然に、緊張が解けた。


 それは真理だったように思う。そして、ほっとしたのか、ポロは話し始めた。


「カイ・・・」


「ポロ、もう大丈夫だよ。辛かったな。もう喋ってもいいんだよ」


「あいうえお。喋れる!!!嬉しい。私こんな風に人と会話したの久しぶりなきがする。昔、カイがいた時代にしかこうやって話すことはなかったよ。私の事嫌いになったでしょ?」


「良かったな…俺はポロが喋れなかったからって、嫌いになんかなってないよ。信じてたからさ。」


「ありがとうカイ泣、みんな私から離れていった泣。一人だった泣」彼女は大きく泣き出してしまった。


「辛かったな…一人で戦って…」そういってポロを抱きしめた。


「私はあれから、小学生の頃の幸せな時期に死にたかったとずっと思ってた泣。あの小学校の脇にある池で泣。」


「そんな悲しいこと言うなよ。これから自信を取り戻していこうな。」


「みんなもポロのことよろしく頼むな」


「もちろんよ嬉しいわポロちゃんと話せて。可愛いんだから話さなきゃ損だよ」キリア


「うん」


「ずっとこのままだと思ってた。ずっとこのまま誰もいなくて楽しく喋れないって思ったら本当に怖かったよ泣」


「うんうん。」カイはもう一度一人で頑張ってきた彼女を抱きしめていた。


-心の声-悲しい時、悲しいって言える人が人がいないことは悲しいと思う。ガオたちは私を超人だと思ってた。どれだけ、辛い事されても大丈夫だろうって。「図太いから大丈夫」と散々言われ続けてきた。だから、私は孤児院で家族の前では泣けなかった。いつしか感情を忘れていた。あの頃から楽しいと思えることが一度もなかった。どんなことをされても笑わなくなったり、感動して泣く事も全くなくなっていた。むしろ笑わないことなら誰にも負けないと、部活の友人とそういうゲームを流れでやった時、強いと言われ、そんな自信を持つほどだった。我慢して。とにかく変な顔だった。今その時の写真を見てもそう思う。だけど、本当はそんな自分が嫌だった。笑顔を忘れた自分が嫌だった。だけど今こうやって感情と笑顔を取り戻せたよ。


「カイ本当にありがとう涙」


 今度の涙は嬉し涙だった。


 時が経ち、喋れた時代を知っているカイにあった。彼のいない中学では、「昔とは違う」「もう違うから」喋らなくなったことを知った、諦めた小学生時代の友人からはそんなことを言われた。苦しかった。「家ではいつも怒ってるらしいよ」母伝いに友人へと流れた噂、他人事なそんな言葉を友人から聞いたこともあった。本当に苦しかった。そんな苦難を乗り越えて、こうやって本来の自分、喋れる自分を取り戻せてよかった。


 結局結論は出ないものの。怒号のあとで頭が動かなくっていること、それで思考系の回路が破壊されて喋れないのかもと思った。彼女は話せても返事や必要最小限な会話しかできなかった。こんな可能性もある。少し声を出されただけで、父母からの怒号が、それがフラッシュバックし、怖いという感情からショックで声が出せなくなった。虐待を受け捨てられた猫が人を恐れ震えるかのように、家庭環境のせいで彼女はなっていたのかもしれない。人が怖く。圧に押され、楽しく話すことのできない家庭環境、それが対人の恐怖と声のかすれ、喋れないを生み出したのかもしれない。この他色々なことが考えられるが、真相は謎のままだ。


「カイ私を連れてって泣笑」


「もちろんっ」


そう言って、おれたちは新しい仲間を迎えた。


 そして俺たちは、きたる日に向かって、ドユイの元でポロとともに訓練を続けた。


「カイーみてー」


「ポロは熱心だな。凄いよ。」


「私もようやくみづきさんに近づけたかな。」


「ポロ、そろそろさんづけやめてよ!みづきでいいから笑」


「わかった、みづき笑」

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