第9話:復讐の惨劇
絶対に逃がしたくないですが、直ぐに殺すのもつまらないですね。
見逃してもらえるかもしれないと、少し期待させてあげましょう。
王太子よりも先に周りの腰巾着を殺しておきましょう。
特に、王太子トライガの寵愛を誇り側近くにいた、尻軽女達から殺します。
どうせ殺すのなら、少し練習台になってもらいましょう。
出来るだけ剣に負担をかけないように、しかも少しの力で殺す練習。
頚の細い女は、首を斬り落とします。
伯爵令嬢は。剣の先を使って首を斬り落とす。
子爵令嬢は、剣の中央部を使って首を斬り落とす。
男爵令嬢は、柄の近くを使って首を斬り落とす。
侯爵夫人は剣を大きく振り抜いて、勢いをつけて首を斬り落とす。
伯爵夫人は剣を素早く短く振り、剣が頚をとらえた直後に手元に引き、引き斬るように首を斬り落とす。
トライガの近くにいた細身の女達を皆殺しにしたので、次は比較的体格のいい男を殺していきます。
某伯爵には角度に気を付けて、前方少し下方から心臓に向けて突きを入れて殺す。
某子爵にも角度に気を付けて、後方少し下方から心臓に向けて突きを入れて殺す。
妻を寝取られていたのか、それとも誘惑させていたのか分からない某侯爵は、余りに肥っていたので、泣き叫んで大きく開けていた口から剣を突き刺し、頚の後ろにまで貫く事で殺した。
「何をしておるか、邪魔だ、陛下はどこにおられるのだ!
陛下、御助けに参上いたしました!」
キャスバル兄上が会場に入って来られたのは、トライガに止めを刺して、会場から逃げようとしていた貴族達を追いかけようとした時でした。
キャスバル兄上は鎧を装備されたままです。
兄上の鎧は、重厚かつ洗練されたデザインが特徴です。
銀色の上質で光沢がある滑らかな鎧板が身体を覆い、兄上に闘志を映し出すように輝いています。
胸元には公爵家の紋章が誇り高く飾られ、その周りには鮮やかな赤い装飾が施され紋章を目立たせています。
兄上の右腰には名剣「レヴァンティア」が佩かれています。
私も欲しかった「レヴァンティア」刀身は美しい機能美の曲線を持っています。
その曲線が並みの剣を凌駕する剪断力を発揮するのです。
柄は黒檀材で作られ、細かな彫刻が施されています。
その彫刻にも公爵家の紋章が彫り込まれています。
鉄兜の上には、覇気溢れる白い羽根飾りが取り付けられています。
これはログレス公爵家の象徴であり、騎士団長の地位と威厳を象徴しています。
キャスバルの肩には、華麗なマントが掛けられています。
深紅の生地には金糸で織り込まれた複雑な模様が広がり、優雅な装いに華やかさを添えています。
そのマントが、勢いよく近づいてくる兄上が作る風圧になびき、の歩みに合わせて舞い上がります。
兄上の装備には私の装備にはない、細部にまで及ぶこだわりがあります。
嫡出の長男と庶出の私の違いがこんな所にも見られます。
厚みのある手袋は、握力を高めるために特別に作られています。
長靴は快適な移動と安定性を追求したデザインです。
兄上の装備は、ログレス公爵家の権力と財力を象徴する豪華さと性能です。
実力では負けないですが、装備の差が大き過ぎます。
果たして兄上は、誰の味方なのでしょうか?
「助けてください、助けてください、騎士団長!
レティシアの奴が、いえ、あの、レティシア……」
「えええい、邪魔だ、陛下を護らず逃げ出すとは何たる不忠!
この場で死んで詫びよ!」
兄上が罵り様に剣を抜き放ち、私の名を呼び捨てにした某子爵を、一刀のもとに斬り殺されました。
流石兄上ですね、王国第一騎士団長に任命されるだけの事はあります。
ログレス公爵家の嫡子とはいえ、家柄だけで選ばれる役目ではありません。
まあ、ある程度の家柄の生まれでなければ、どれほど強くても拝命できない役目でもありますが。
「おおおおお、よく来たキャスバル、余と王太子を助けよ!
乱心じゃ、レティシアが乱心したのじゃ!
殺すのだ、レティシアを殺すのだ!
見事レティシアを殺したならば、褒美にヴェロニカを降嫁させる。
そうだ、宰相にもしてやる、だから余と王太子を助け、レティシアを殺すのだ!」
やれやれ、兄上が誰の味方か分からないうちに、こうも簡単に敵味方をはっきりさせるなんて、なんて愚かな王でしょう。
しかし、兄上は誰の味方なのでしょうか?
それによっては、兄妹で殺し合わないといけませんね。
以上の文章に相応しい題名を考えてください。
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