第22話 ダンジョンからの帰還

地下31階にいる魔物は俺達にとって、経験値はとても高いが、やっかいな魔物だった。出てくる魔物はスケルトンにゴブリン、包帯ミイラ、ラミアだ。


最初に出てくる最弱モンスターであるゴブリンにも苦戦する俺達だったが、毎日毎日朝から晩まで魔物を狩りまくった。夜はキュービの里に戻れば安全に過ごせる為、安定するまで、繰り返した。


気づけば食料も残りわずかになっていた。当初の予定では帰りの分の食糧を考えて行動する予定だったが、ミストからダンジョンから帰還する魔法がある事を聞き、ギリギリまでダンジョンでレベルを上げる事にしたのだ。


結果、俺のレベルは50まで上がった。マリーはレベル85まで上がっていた。ステータスはこうなっていた。


名前:レイ

職業:聖獣マスター

称号:一般冒険者


レベル50

HP:500(800)

MP:500(800)

力:500(800)

魔力:500(800)

体力: 250(400)

敏捷:500(800)

器用:500(800)

運:250(400)


名前:マリー

職業:聖女

称号: 一般冒険者


レベル85

HP:650

MP:1100

力:420

魔力:1100

体力:330

敏捷:430

器用:950

運:220


俺はレベルが上がれば漫勉なく能力が上がっていた。マリーはMPと魔力の伸びがいい。この辺りは職業によるものだろう。聖獣と神獣様の能力アップを考えればレベル80相当の能力だ。この能力なら地下40階までならいけるかもしれないが、夜キュー日の里で休む事を考えて、攻略は地下35階までしか行っていない。


地下35階でも魔物のレベルは70もあり、脅威だ。普通は4人~5人のパーティで行動するので、2人で行動できてるだけでも異常だろう。


「もう食料が残り少ないけど、そろそろ戻るの?」


「そうだな。ダンジョンに入ってから1か月か・・・そろそろ戻ってもいいだろう。」


さすがに地下60階まで行く事はできなかったが、レベルが上がってMPは800になった。これでキュービからファンドラへ直接転移できるだろう。ボルテックス達は丁度魔大陸についたぐらいか?今ならミュラとも邪魔を気にすることなく会うこともできるし一度状況を聞きに行ってもいいかもしれないな。その後、どうするか考えるか。他の聖獣の場所を探すか、場所がわかってるエンキに会う為に再度キュービのダンジョンを攻略するか・・・まあこれはマリーにも聞いて相談だな。


「わかったわ。じゃあキュービの里で長に挨拶しないとね。ダンジョン生活が長かったから、早く町に行ってお風呂にゆっくり入りたいわ。でも狐ちゃん達をモフモフできないのは悲しいわね。」


「たしかに。それは俺も思った。今日はモフ貯めしておかないとな。」


「モフ貯めって・・・まあでもそうね。今日戻るんじゃなくて、キュービの里で一泊してから町に戻るの?」


「ああ。MPが残り少ないから帰還の魔法が使えないからな。キュービの里でみんなに挨拶してから帰還魔法で町に戻ろう。町に戻ったらゆっくりしながら今後の相談だな。」


「一度ミュラに会いに行く?ボルテックス達はファンドラにはいないだろうし。」


「そうだな。それは俺も考えていた。ミュラを交えて今後の行動を考えるのもいいかもしれないな。」


そういや~マリーと一緒に行動してから夜も一緒に寝てるのに俺達って全くそういう事もないな。レベル上げに必死になってて考えることを忘れてたな。夜もMP切れで泥のように眠ってたし、マリーはどう思ってるんだろうか・・・いや、そういえば俺達って付き合ってるのか?そんな話はしてないな。って事はマリーは俺が言い出すのを待ってるのか・・・。う~ん。今更何て言えばいいんだ・・・困ったな~。こんな時誰かに相談できたらいいんだけど、俺にはそんな事相談できる相手なんかいないし・・・ミストに聞いても無駄だろうし・・・


そんな事を考えながら、レイはダンジョンでの生活を終えて町に戻った。町に戻ったレイ達は久々に豪華な食事、ゆっくりのお風呂に浸かって疲れをいやした。ただ、ゆっくり休む予定が、ここにきて、隣のベットで眠るマリーが気になってあまり寝ることができないレイだった。


翌日


「おはようレイ・・・ってどうしたの?目の下に隈が・・・あまり寝れなかったの?」


「ん?ああ。まだ疲れが残ってるみたいだ。」


マリーの事が気になって寝れなかったとはとてもじゃないが言えないよな。


「レイよ。マリーの事が気になるならさっさと告白すれば良いだろうが。マリーもお主の事を好いてるじゃから問題ないじゃろ。」


「ミスト⁉どうしてそれを・・・」


「いやいやお主昨日の晩、マリーを見ながらずっとブツブツ言っておったじゃろう。そんな姿見ればわかるのも当然じゃろ。」


「いやでもな~。仮に断られたらどうするよ?今うまく2人で冒険できてるのに気まずくなるだろ?もしかしたらパーティ解散もありえるじゃん。そんな事になったら困るだろ・・・」


「我はそんな事ないとは思うが・・・ヘタレじゃのぉ。」


「ヘタレ言うな。」


「どうしたの?」


「いやなんでもないよ。今日はギルドに素材の売却と食料類の補充やアイテム類の補充だったよな。」


「ええ。疲れてるなら一人で行くわよ。」


「いや素材は俺の収納魔法の中だし、買ったアイテムもこれに入れないといけないから一緒に行くよ。ありがとう心配してくれて。」


「言われてみれば私一人行っても何もできないわね。わかったわ。でも無理しないでよ。別に今日ファンドラに行かなくてもいいんだから。」


「いや大丈夫だよ。やることやってファンドラに向かおう。」


そうしてレイ達は町で必要な物を購入し、ミュラの元へ向かうのだった。




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