第6話 誰もいないチャイム
宅配以外でも昔はよくチャイムがなることがありませでしたか?
例えば、新聞の営業、宗教の勧誘など。家にいるとそれらのお断り対応をしていたので慣れたもの。
と、今回のお話はいつものチャイムとは少し違ったのです。
-----------------------------
今日は体調が悪く学校を休んだ。なので、家には僕1人。
朝目を覚ますともう誰もいない。
リビングのテーブルには母が起きたら食べるようにと、お粥やらスポーツ飲料やら薬が置いてある。
「ありがとね」
ピピピっ
「37.8°」
高熱でないのがなによりだ。
お粥を食べ薬を飲み部屋のベットに向かう。
「ふぅ、早くよくならないかな…」
と思いながらも気がつくと眠ってしまった。
…
ピンポーン
チャイムがなった。
時計を見ると15時過ぎ。
僕の家は普通のアパートなので、オートロックなどはない。
もし家族であれば玄関の横の棚の奥に家の鍵をおいてあるのでそれで入ってくるが、そうではなさそう。
「…あっ宅配かな、、どうしよう」
このまま居留守しようと思った時。
ピンポーン ピンポーン
2度目のチャイム。
「はぁ…しょうがない、出るか」
荷物を受け取ればこれで終わるからと言い聞かせて玄関へ。
ガチャ
「はい」
…
誰もいない。
「あれ…出るの遅くて帰っちゃったのかな」
2度目のチャイムが鳴ってからそんなに時間を開けず玄関を開けたつもりだが誰もいない。
「またくるかな」
そう思い部屋に戻る。
タッタッタッ、ガバ
まだ暖かい布団をかぶり横になる。
と
ピンポーン
またチャイムが鳴った。
も〜〜と思いながらもすぐに布団を出る
ダッダッダ ガチャ
「はいはい」
…
誰もいない。
「ん??」
不思議に思った僕は左右の廊下を見る。
が誰もいない。
「ん???」
チャイムが壊れたのかと思い、押してみる。
ピンポーン
普通に鳴った。
「えっなんだ??」
疑問しかない。
「聞き間違いかなぁ…?」
熱もあるから…かな?
そう思い扉を閉める。
…
コンコン
コンコン
閉めたばかりの扉からノックする音。
「…え」
ゆっくり覗き穴に目をやる。
すっ
見ると玄関の前の風景しかない。
もちろん人影もない。
コンコン
またノック音。
ガチャ!
扉を開けた。
…もちろん誰もいない。
廊下に出て左右を確認するが誰もいない。
人が隠れる場所なんてない。
のに、人がいない。
けど、チャイムとノック音がした。
「…」
「なんなんだ。。」
訳がわからない。
モヤモヤした気持ちのまま、家に入ろうとドアに手をかけあける。
ガチャ…
扉を開け、家に入ろうと一歩踏み出した時。
横目で見えている廊下の奥に人影が見えた気がした。
「っえ!」
立ち止まる。
が、間髪入れずに足を戻し、廊下を見た。
…
が、やはり誰もいない。
気のせいか…
夕方に母が仕事から帰ってきた。
簡単に説明をするが、見間違いじゃない?とそう言いながらも
玄関に盛り塩を置く母。
それから少なくとも僕が家に1人でいる限り、この前と同じことは起きていない。
あれは、なんだったんだろうか・・・。
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
お気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます