幼馴染に好き好き言ってたけどあんまりしつこいとね…てなわけで少し大人しくしてましょう、、、って‼︎大人しくしてたらどんどん幼馴染が…幼馴染がっ‼︎

猫の集会

好き

 オレは幼馴染の恋愛漫画を読むのが大好きな高校二年生だ。

 

 幼馴染…

 

 あーあーぁ。

 幼馴染かぁ。

 

 いーなぁ。

 

 ベッドから漫画をバサッと置いた。

 

「へぇー、りくと幼馴染と恋に発展したいんだあ?」

 

 はうっ‼︎

 

 いつのまにミカのやつオレの部屋に入り込んだんだ⁇

 

「ミカー…いつからいたの?」

「えっとー、生霊ならずっといたけど?」

 

「はっ?こえーからやめて」

「ふふっ。ウソ。ほんとは、昨日の夜からベッドの下にいたよ?」

 

 …

 

「それもキモい」

「アハハ。たしかにキモい。で、何の用?」

「はい?人の家来といて何の用って…おかしいだろ」

 

「あー、それな!てか、おかしいと言えばアヒル口する女の子どうよ?」

「…あー、オレはパスだな」

 

「んじゃ、これは?」

 

 …げっ

 

 見るとミカはすごい口をしていた。

 

「な、何してんの?」

「アヒル口ならぬ、ナマズ口」

 

「はー…、キモいから」

「アハハ、でもこれ次に流行るかも」

 

 …

 

「ねーだろ」

「そっかー。じゃかーえろっと」

 

 えっ?

 

 何しにきたの?

 

 まさか…まさかナマズ口披露するためだけに来たのか⁉︎

 

 暇人め。

 

 ミカは、オレの幼馴染なんだけど恋に発展する可能性は、ゼロ‼︎

 

 なぜならオレは、もう何回もフラれているのだ。

 

 この前は、幼馴染恋愛マンガでみた壁ドンしながらの好きだよ、と言ってみたが…

 

 あっそ。との冷たい返事…をされながら軽く手をペシっと振り払われた。

 

 きっと…きっとミカは、オレの兄貴が好きなんだ。

 

 たぶん今も兄貴のところに行ってただその帰りに寄っただけだろう。

 

 兄貴は、高身長で頭もいい。おまけにスポーツ万能‼︎

 

 オレは、高身長だけど…勉強普通…スポーツもまあまあ…だ。

 

 

 

 夜ご飯中隣にいた兄貴に

「今日もミカ来てたね」

 というと、

「え?今日は来てないよ?」

 との返事がきた。

 

 あれ?

 じゃあ、ミカは…何しにオレの部屋に来たんだろう?

 

 ⁇

 

 ま、暇つぶしだろう。

 

 

 そんなとある日、また暇なミカがやってきた。

 

 兄貴に勉強を教わった帰りにオレの部屋に寄ったらしい。

 

「ねー、りくとー。わたし…はると兄と付き合うことにしましたー‼︎」

 なんて報告してきた。

 

 はるととは、オレの兄貴だ。

 

「はぁー?そうなの⁉︎」

 

 …つ、ついにこの時が来てしまった…

 

「うんっ」

 

 嬉しそうなミカ。

 

 そんな嬉しそうなミカをみて、オレはショックだったが、仕方なく

「あー、まぁ…おめでとう」

 と一応祝福の言葉を送った。

 

 するとナマズ口のミカは、

「ウッソぉ〜」

 と言ってきた。

 

 ムッカー‼︎

 しかもそのナマズ口がまた腹立つ

 

「そのナマズ口やめろよ…萎える」

「えっ、じゃあいつもはわたしをみて萌え萌え?なの?」

 なんて言いながらオレをみてニヤニヤとしている。

 

 …

 

 

「あぁ、そりゃそうだよ。だってオレはミカが好きなんだからさ。」

 とオレは、堂々と宣言した。

 

「えっ…そんな堂々と。恥ずいじゃん」

「言わせたのあなたですけど?」

「んもー、変態!帰るっ」

 といい帰って行った。

 

 ミカは、たまによくわからない。

 

 …

 

 でも、やっぱりかわいいのです。

 

 

 そんなかわいいミカを振り向かせてみせたいオレは、大学生の兄貴の服を借りてきてみた。

 

 うん。さすが兄弟だけあってまぁまぁのルックスだ。

 

 今日は、これを着て本屋にでも行こう。

 

 兄貴の服を着ていると背伸びした感が強いがまぁいいだろう。

 

 本屋で幼馴染恋愛マンガを購入して、ウキウキな気分で帰宅していた。

 

 すると、高校の先輩がたがオレに話しかけてきた。

 

「りくとくんじゃん。一緒に遊ぼうよぅ」

 と。

 

 このお姉さん先輩方は、オレを可愛がってくれている。

 

「あー、先輩方。こんにちは。せっかくのお誘いですがオレは今からお勉強がありますので。」

 と、さっき買った本をペシペシしながらお断りした。

 

 お勉強と言っても恋のお勉強だが。

 

 そしてるんるんで歩いているといきなり後ろからミカが、

「よ、りくと‼︎さっき美人集団に声かけられてたのになんで断っちゃったの?」

 なんて言ってきた。

 

 見られていたのか…

 

「そりゃ、もちろんミカのためだろ」

「なんで?あたしたち付き合ってないよ」

「付き合ってなくてもいつかミカを振り向かせて見せるんだ。他の女子にうつつなんてぬかしてる場合じゃないからね。いつでもオレはミカ一筋なんだよ。ミカ、愛してる。」

 

 ミカの目をしっかりみて愛を捧ぐ。

 

 ヌゥーっとミカがまたナマズ口をした。

 

 そして、

「ごめんなさ〜い」

 と低い声でお断り。

 

 …

 

 そのナマズ口…なんだか愛着が湧いてきたぞ。

 

 …って、オレは変態か‼︎

 まぁ、ポジティブで良かろう。

 

 オレは、ミカが持っていたおつかいの袋をさっと持ってあげた。

 

「おつかい偉いね。重かったでしょ。今度からカレーの時はおつかい一緒に行くからオレを呼べよ?」

 と言いながらオレはミカの頭をポンポンした。

 

「えっ、なんでカレーってわかるのよ」

「ははっ、ミカのことならなんでもわかるんだよ」

 と偉そうなこと言ったが、ほんとうは袋からルーが見えたのだ。

 

「よし‼︎帰って一緒にカレー作るか」

「いいの?勉強は?」

「そんなの、優先順位ミカに決まってんだろうが」

「ありがとう」

 

 嬉しそうに笑ってくれるミカ。

 

 ミカのお母さんは、頭痛持ちでたまにこうしてミカが家事を手伝っているのだ。

 

 

 そんな日々が続いてオレたちは、高校三年生となった。

 

 三年生にもなると受験生なので勉強で忙しい。

 

 なのであんまりミカに好き好き言っている場合でもない。

 

 そりゃ、ミカのこと好きだけどでもわざわざ言わなくても、もうミカだって嫌なほど聞いてきたからウンザリしているかもしれない。

 

 オレはミカが側にいてくれるだけで幸せだ。

 なので、もう大人しくすることにした。

 

 

 

 休みの日ひたすら勉強漬け。

 

 えーと、この公式がこうだから…こうで…

 

 

 ツウンッ

 

 ビックゥー‼︎

 

 えっ⁉︎

 

 ミ、ミカー…

 

「なんだよミカー…、急に脇腹ツンするなよなー」

 

「だってー、呼んでも気づかないからさ」

「あー、ごめん。集中してたかも」

「…ふーん」

 

 なんだか暇そうなミカ。

 

「ミカ、勉強しないの?」

「わたしは、余裕で受かるからさー」

「あー、ならもっとうえ目指せばいいのに」

「ダメなの。あの大学に行くって決めてるんだから」

 

 …

 

 なぜかミカは、オレと同じ大学にこだわっている。

 

 

 そして最近よくオレの部屋にきては、ムスッとしている。

 

「どうした?ホラチョコあげるから」

「フンッ。そんなんじゃヤダ」

「えー、じゃあ飴」

「いらない。」

 

 …

 

「ならアイス持ってくるよ」

「うーん。」

 

 最近よく食べ物をねだられる…気がするんだけど、なんかピンポイントで食べたいものじゃないみたいだ。

 

 

 そして、ついにお互い大学生になった。

 

 

 あー大学生最高ー‼︎

 

 ミカとは、一緒に大学に行くことが多いけどオレはバイトが忙しくて休みの日は、ほとんど家にいない。

 

 

 で、久々の休み部屋でダラダラしているとミカが、オレの部屋に入ってきて腕を組みながら、

「なんの用?」

 と聞いてきた。

「それは、こっちのセリフ」

「へー…、それよりさ…りくと最近忙しそうだね。」

「あー、まぁバイトもあるからね。」

「ふーん。そ。」

 

 なんか最近不満そうなミカ。

 

「ミカ、コンビニの最新スイーツ食べる?」

「えっ?うん!」

 

 ホッ。

 少しご機嫌になったっぽい。

 

 

 そして、ミカはスイーツを食べて帰って行ったのです。

 

 

 ですが、まさかこの数日後ハプニングが起こりました。

 

 

 オレの部屋に来たミカが、

「最近…最近さ、もらってない」

 と言った。

 

 え?

 

 何を⁈

 

 あー‼︎チョコか‼︎

 

「ほら、チョコ」

「…違う」

「え、じゃあ飴」

「いらない」

 

 …えーと。

 

「もう…なんでわからないのよ」

「えー…何?」

「もういい。帰る」

 

 プイッとしてミカは、帰ってしまった。

 

 …わからない。

 

 もう正解がわからなかったからオレはとにかくいろんな種類のお菓子をミカの為に用意した。

 

 

 で、ミカが来たから

「たくさんお菓子用意しといたぞ、どれでも選びたい放題」

 とお菓子を差し出した。

 

 …

 

 いまいちな反応のミカ。

 

 えっ?

 やっぱりアイスとかスイーツがよかったのか?

 

「ごめん。ドーナツとかの方がよかった?」

「ううん。違う…食べ物じゃなくて…」

 

 え?

 

 

 

「え?じゃあ何?誕プレ⁉︎…あげたし…あとは…お年玉‼︎お年玉あげてなかったか。なら五百円玉〜。お年玉ね。」

「は?お年玉なんか貰わないよ‼︎」

「えー、じゃなんだよー…」

「もういいよ。」

 

 …わかんねー‼︎

 正解なんだよー‼︎

 

 

 そんなある日、兄貴に彼女ができた。

 

 よくうちに彼女が来るからオレもだいぶ兄貴の彼女と仲が良くなった。

 

 その彼女は、兄貴にサプライズで誕プレに洋服をプレゼントしたいというのでオレが買い物に一緒について行くことになった。

 

 サイズもだいたい兄貴と同じだし。

 

 で、無事誕プレサプライズは成功したらしい。

 

 オレの部屋に来て彼女がお礼を言いに来た。

 

 そして、彼女が兄貴の部屋に戻ろうとしたらミカがドアの向こうでぼろぼろ泣いていた。

 

「ミカ‼︎どうした⁉︎」

 

「…その人…その人がいるからわたしの事もう好きじゃないんだ」

 と泣き出した。

 

 あー、ミカ兄貴のことやっぱり好きだったんだな。

 

「ミカ…泣くなよ。でもさ、泣いても…もう…その…諦めるしか…」

 

「やだ‼︎なんで?ずっと好き好き言ってたくせになんでよ⁉︎もう好きじゃないんだ。いつから好きじゃなくなった⁉︎」

 と泣き叫んだ。

 

 …兄貴。

 

 ミカに好き好きって言ってたのかよ…。てか、ならなんで付き合わなかったんだよ…。

 

 と呆れた。

 

 でも、いつから好きじゃなくなったって聞かれてもオレわかんねーからなー…。

 

 彼女いる前で修羅場になるね…これは。

 

 

 そこに彼女がなかなか戻ってこないから心配してきた兄貴。

 

「あれ、ミカちゃんもいたんだ。てか、泣いてる?」

 とミカの顔を覗き込んだ。

 

 あー…、これから修羅場ー…

 

 やばいやばい。

 

「あ、兄貴…大丈夫だから」

 と、とりあえずミカをオレの部屋に誘導した。

 

 兄貴は、彼女と自分の部屋に戻った。

 

 

 あー、あぶねー…。

 でも、なんとか修羅場はまのがれた。

 

「ミカ…泣くなよ」

「っ…、いつから?」

 

 いつから…兄貴は、いつから付き合ってるんだっけ?

 

「あー、数ヶ月前…とか?」

「でも、人のものとるのは、よくないんだよ?ね?」

「うん。そうだね。」

 

 ミカは、奪うつもりはないみたいだな。

 

「でも、好きなのは好きなんだ?」

 

 ?なんで疑問系?

 と思いつつ

「好きなのは、仕方ないよね。」

 と答えた。

 

 兄貴は、なんでミカに好き好き言っといて他の人と付き合ったのだろう。と思っていたらミカは、

 

「わたし、ほんとは好き好き言われてるときほんとは嬉しかったの。わたしも好きだったし。でもね、あんまり早く付き合っちゃうといつか別れるかもって思って…だから大学入ったら付き合おうって思ってたんだよ…。なのに…なのに…好きっていわれなくなるどころか…他に好きな人できちゃうなんて…」

 グスッグスッ。

 

 また泣き出してしまった。

 

 あー…。

 

「なら、それ伝えとけばよかった…のかもしれないね。」

「伝えてたら好きにならなかった?」

 

 …オレに聞かれてもな。

 

「うーん…わかんないけど、もしかしたらそうだったかもね…」

「そうなんだ…。もう遅い?」

 

 …そりゃ彼女いるからね。

 

「あー…、まぁ…ねー…」

「じゃあ、どうすればいい?わたしは、どうしたらいいの⁉︎」

 

 えー…

 

 諦めるか、別れるの待つー…とか?

 

「あー、まぁ今は辛いかもだけどもしかしたら時が解決してくれるかもよ?」

 と曖昧に伝えた。

 

「じゃあ、待ってればまた好きになってくれる?」

 

 …オレに聞かれても…

 

 兄貴と話し合った方がいいんじゃ…。

 

「うーん…それは…どうだろ」

「わたしのどこがダメだった?あの人のどこが好きなの?」

 

 …いや、それは兄貴に聞かないと。

 

「もう後で兄貴に直接聞いた方が…」

「なんて?弟があなたの彼女狙ってますって?言っちゃっていいの?」

 

 ⁇

 

「えっ⁉︎何それ」

「やっぱり言われちゃまずいんじゃん」

「え?てか、オレ狙ってないけど?」

 

 …

 

「もう、バレてるからね。この前デートしてたじゃん」

「あー、あれは兄貴のサプライズ誕プレを買うのに付き合ってただけ」

「でも、デートじゃん。もしかしてあの人すでに二股?」

「いや、ないよ。あの人兄貴のことすごい好きだし…」

 

 って…、オレ余計なことをベラベラと。

 

「りくとは、不毛な恋してるね」

「あー、そうだね」

 

 ミカは、オレの兄貴が好きなんだもんなー。

 

 でも、そんな…不毛な恋させてるのミカだし。

 

 てか、ミカもそうなんだよな…

 

 オレたちは、かなわない恋してるんだよな。

 

「まぁ、恋ってそんなもんだよね」

 

 ポロポロポロポロ

 

 またミカが泣き出した。

 

「やだ。ヤダヤダヤダヤダ」

 

 …

 

「やだよぅ。」

 

 オレに抱きついて泣くミカ。

 

 こればっかりはなー…

 

 オレはミカを抱きしめて頭を撫でた。

 

「戻りたい。昔に戻りたい…」

「うん」

 オレはミカを撫でながら頷いた。

 

「戻れたらわたし言うよ。もう後悔したくないから、好きっていう」

「うん」

「そしたら、ずっとわたしから離れないでいてくれた?あの人を好きにならなかった?」

 

 …

 

「それは…」

 

「それは何⁉︎やっぱりあの人のこととにかく大好きなんだ⁉︎そんなに好きなんだ⁉︎」

 とまた声を荒げるミカ。

 

「わかんないよ。そこは、兄貴に聞かないとさ。」

「え?なんで?自分の好きな人なのになんでお兄ちゃんに聞くのよ?」

 

 へ?

「ん?」

「だって、お兄ちゃんの彼女を好きなのは、りくと自身じゃん」

 

 えと…

 

「ん?オレ?兄貴の彼女好きじゃない…けど?」

「はぁ?」

「えっ?」

 

 …

 

「え、りくと、好きになっちゃったんじゃないの?」

「え?何⁇オレはずっとミカが好きだけど」

「えっ⁉︎ウソでしょ⁉︎でも最近…好きって言ってくれてなかったじゃん」

「あー…、あんまりしつこいと嫌われるかと思って」

「だから言ってくれなかったの?」

「あ、うん。」

「じゃあ、今でもわたしのこと好き?」

「もちろん」

「ほんと?」

「ほんと。大好き」

 その言葉を聞いてミカは、オレに抱きついた。

 

 そして、

「わたしもずっとずっと好きだったよ」

 と言った。

 

 え?

「兄貴は?」

「え?なんでお兄ちゃん出てきた?」

「だって…ずっと好きだったんだよね?」

「ううん。わたしがずっと好きだったのは、りくとだよ?」

 

 …

 

 え?

 

 じゃあ、オレずっと勘違いしてた?

 

「あー、オレミカがずっと兄貴を好きだと思ってた。」

「わたしもさっきまでりくとがお兄ちゃんの彼女を好きだと思ってたよ。」

 

 …

 

 だから、いまいち会話がかみ合ってなかったのか。

 

「ミカは、オレの為に泣いてくれたんだ?」

「うん。勘違いだったけど。」

「かわいい。ミカ。大好き」

「やっと言ってくれた。ずっとその言葉が欲しかったよ」

 

 あぁ。

 この時やっとわかった。

 

 ミカが不機嫌だったのは、お菓子が欲しかったんじゃなくてこの言葉を求めていたのか。

 

「ミカ。ミカー、大好きー」

 

 ギュ〜♡

 

「うん。わたしも大好きー」

 

 チュ〜♡

 

 この後たくさんの愛をミカに捧げた。

 

 お菓子じゃなくて愛でお腹いっぱいになるくらいにね♡

 

 おしまい。

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