月の覇者

renbee

第1話 異変

この世界に平和なんてなかった。


俺たちの先祖は皆、1つの怪異を恐れ生きてきた。


それは古くからムンデモと呼ばれてきた。


ムンデモと呼ばれているのはコイツらが月からの侵略者だと思われていたからだった。


ムンデモの姿は簡単に言えば人型だが変異種のようにトゲが生えている個体や四足歩行する個体もいる。


俺はこのムンデモを討伐する部隊に入隊している。


「サンナイト」という部隊に所属しているが国によって名前は違うことが多い。


俺の国はサンナイ国という名前だ。


サンナイ国とナイトをかけているのだろう。


「朝だ!カイト!」


いつものように朝が来る。


俺の名前は言い忘れていたがカイト・サンザだ。


起こしに来たのは副隊長のマドスさん。


顔を洗い食堂に向かう


席に向かうと


「あぶねぇだろ!」


大柄な男が俺の座ろうとした席を取った。


身長はおそらく2mを超えている


彼の名前はシパン。あんな態度を取っているが後輩だ。


今日のメニューはパイ牛のステーキとパンそしてサラダ


ここのおばさんが作るパイ牛のステーキは多分世界一だ。


「また遅刻か!」


マドスさんの声だ。


扉からマドスさんと1人の青年が入ってくる。


この人はシュンセイ。


サンナイでは無い国から来た移民だ。


シュンセイさんのいた国はムンデモに滅ぼされた。


彼はそこの生き残りらしい。


とにかく強い。


それ以外に言えることはない。


「カイト!」


マドスさんに呼ばれたことに気づき席を離れる。


大体今日の任務内容についてだ。


「カイトは俺の部隊と一緒にライメイ山での怪異討伐だ」


「今日はシュンセイにも同行してもらう」


シュンセイさんとの任務は初めてだった。


俺は自室に戻り討伐服に着替える。


車に乗りこみライメイ山に向かう。


2時間が経過した頃だろうか急停車した。


「ムンデモだ…それもデカい…」


窓から外を見た。


「…あぁっ」


変な声が出た。


そこにいるのは見たことの無いほど大きく嫌な奴だった。


「俺に任せろ」


シュンセイさんが車を出ていった。


後ろ姿がどこか頼りがいがあった。


シュンセイさんはムンデモに手を向けた。


それからは本当に一瞬の出来事だった。


雲ひとつない快晴だった空が一瞬霞んだ。


視界が開けるとそこには倒れたムンデモとシュンセイさんがいた。


「今の等級は7です」


シュンセイさんは一体…


……続く……





第1話「異変」を見て下さりありがとうございます。

renbeeと申します。

ここでは作中に出てくる語句の解説を行っていきます


(サンナイ国)

サンナイ国はこの物語の舞台であるクレル地方【作中では出てきてないです】の北西部に位置する自然豊かな王国です。

人口は10万人ほどのクレル地方でみると大規模な国であり工業、農業ともに栄えています。


(サンナイト)

サンナイトはサンナイ国内で結成されたムンデモの討伐隊の名称です。

サンナイトの隊員は約5000人と言われていてそのほとんどが宿舎で暮らしています。


(パイ牛)

パイ牛はクレル地方にのみ生息する牛の仲間です。

脂身が多少多いですがタンパク質豊富なため隊員の皆さんからはかなり好評らしいです。

【味はどうやら豚肉に近いようです】


(ライメイ山)

サンナイ国の南東部に位置する標高2000mの山です。

名前はそのままの意味で雷鳴山となり山頂近くではいつも黒の雲が笠を被せています。


(等級)

ムンデモを区別するいわゆるレベルのようなものです。

全部で10段階あって1~3は初心者向け4~6は中級者向け7~9は上級者向け10は超人レベルの人にしか討伐できません。

余談ですがカイトくんは等級5の敵ならどうにか立ち向かえます。



これで以上です!

次回もお楽しみに!













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