ホテル

「あやめっち!今日の練習も終わったからホテル行こ!」

「いいですよ香絵先輩」


「イセっちと呼んで!」

「え?イセっち?なんでですか?」


「なんとなくやけど...うち伊勢さん推してるし」

「いや、それより、香絵っちって呼びたいです」


「え?ほんま?そうなん?」

「はい、香絵っちで」


「わかった。もう、すっかり秋やなあ」

「涼しいですね」


「秋っていいよなー」

「気持ち良い」


☆☆☆☆☆


「可愛いホテルでしょ!部屋もめっちゃ可愛いんやでー」

「うわっ!ほんまや」


「あやめっちは女子みたいやから、ふたりで女子どうしで過ごす時間、うち、めっちゃ好きやねん」

「ありがとうございます。うちも香絵っちと過ごしてると、なんだか、なつかしい感じしてきて」


「ほんま?」

「はいっ!」


「うち、絵も好きやから、いつもスケッチブック持ってるねん。ちょっと見てくれる?」

「わあ、見たいですー」


「ほらっ!どない?」

「うわっ!富士山の絵や!」


「富士山好きなん?」

「高校の修学旅行で登りました」


「えーっ?いいなー!うちはまだ登ってへんけど、富士山の絵を描くのは、めっちゃ好きで」

「これ、白い霧に包まれてる富士山ですね?」


「そやで!想像で描いてみた」

「うちも登った時、真っ白な霧に包まれたから、ほんまに、その時みたい」




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