第55話 【閑話】シャルナと魔王


「堪能したぞ!シャルナ、あれは究極、至高の男だ!」


「言った通りだったでしょう? どうかしら気に入った?」


「気に入ったも何も、凄い男だわ!体力に難があるが『魅了』が一切効かない状態で、物凄く愛して貰ったわ。 容姿を変える度に愛し方が代わる、凄いぞあれは…憧れの歌姫に変れば歌姫を愛すように愛し、憧れの仲間に変れば仲間を愛すように愛す…この短時間に沢山の男性と愛し合った気がしたわ!和平条件に理人と私の交際と魔国への理人のカップの供給は必須よ!」


「解っているわ…それでどう? 和平の条件もそうだけど? もう一つの話しもよ?」


「理人との間に生まれた子が『正常な子』だった場合は、理人以外の男性を廃棄する計画だな!」


「それよ…今のこの世界、女性は殆ど、正常なのに男の方が異常なのよ!『異常な男』を処分して理人だけと交わっていけば、時間は掛かるけど世の中は、正常な男ばかりに時間は掛かるけどなるわ」


「だが、それでは近親交配になるから、やがて問題が起きるのではないか?その辺りはどう考える?」


「その辺りは魔国は魔国で考えて欲しいんだけど、今の状態が、既に最悪の状態らしいわ『近親交配』のそのリスクを考えても、このままよりは、より良い未来に辿り着く。それが研究者達の意見なのよ!ただ、重大な事で責任はとれないから、その辺りはあくまで参考という事で魔国は魔国でよく考えて決断して」


「私は魔王であるけど、それ以前にサキュバスクィーンだわ、だから、あの精子の凄さは味で解るわ。極上ものよ!そうね、これから此方も詰めた話しをしなくちゃならないわね。私個人としては賛成だわ」


「そう? それじゃ和平という事で大まか決まりで良い訳ね」


「あとは、条件のすり合わせだな、取り敢えず、仲良く100年、経過観察で50年、150年の和平でどうだ?」


「150年、何か根拠があるの?」


「人族の寿命は、長き者で100年何だろう? 理人の生きている間のイザコザを無くす為と理人の子供の経過観察の為、100年。その子供たちの子供にも異常が無いか考える為に50年、そう考えての150年、そう考えたのだがどうだろうか?」


「そうね、確かに言う通りね、そこを大幅な主軸にして考える必要はあるわね、私もその着地点を目指し、人間側でも話してみるわ」


これで恐らく和平は決まったも同然だわ。


「しかし、思うのだが、何故何時も人間側はお前を代表にして話すのだ!王女や女王と話さなくて良いのか?」


「まぁ、使い物にならないからね、頭の中に花が咲いていて…駄目なのよ!」


「なんだか苦労してそうだな」


「ええっ、苦労しているわ、しかし貴方が『我』ではなく『私』なんて言っていると調子が狂うわね」


「まぁ、根はサキュバスクィーンだから『男』が絡めば、流石にぞんざいには扱わないわ…それじゃ細かい条件のすり合わせ、次回までに指針を決める、それで良い?」


「良いわ」


これでもう、争いが無くなるかもね。







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