第43話 世知辛い 親子愛


「マリアンヌ女王、やりましたね!」


マリアンヌは女王なのに、次の日には男性保護施設に引っ越してきた。


それを見ていたシャルナは頭を抱えていたがお構いなく、引っ越しの荷物を運びこんでいる。


とはいえ…当人は何もしていないので応接室に連れていき話し始めた。


「うふふっ、まぁ今日のプレイのご相談ですか?」


プレイ…ゴクリっ。


いや違う…


「マリン王女の事ですよ!」


「ああっ、マリンの事ですか? 王家の秘術に必要なので『持ち物』にしただけです!」


「秘術ですか?」


一体何があると言うんだ…あれ以上の事があるのか。


この世界に来るまで童貞だった俺には解らないな。


「はい、二輪車と言いまして王家の秘術の記載には女性2人、男性1人で行う秘術があるのですよ! 王家の秘術は門外不出、王族以外に伝える事は出来ません…だから、マリンが必要だったのです」


まさか3Pって事なのか?


「具体的には?」


「二輪車の技にはダブルフェラとダブルパイズリ、二人で口を使う技や二人のおっぱいで挟む技がありますね…他にはフェラをしながらのお尻の穴を舐めたり、顔面騎乗しながらの騎乗位とか理人様ならきっと喜ぶ様な事が出来るんですよ? この間以上に楽しめると思います…どうですか?」


これは、女王と王女で親子丼状態で、風俗店以上の事をしてくれる。


そういう事か?


『SEXは美徳』


それは解るけど、この内容は余りに背徳すぎる。


「凄いとは思うけど…倫理的に問題ないのか?」


「理人様の世界の倫理は解りませんが、この世界なら素晴らしい事ですよ! 母親が子供に男性を分け与える、素晴らしい母子愛です」


まぁ、男性が貴重な世界ならそう言う考えになるか?


「母親としてマリン王女を愛しているんだな」


「母親ですから」


「それなら良かった! 流石に王女なのに『持ち物』は可哀そうだから『友達』に変更したよ」


「えっ、マリンを『友達』にしたんですか? 『持ち物』で充分でしたのに…私の補助ですから『友達』になんてしなくても良かったのに」


マジか…


俺はマリンが娘で可愛いからの行動かと思っていたのに違うのか?


「マリン王女を可愛いとか思ってないんですか?」


「勿論、可愛いとは思っていますよ? 娘ですから…でもそうですね、理人様へ愛が100だとしたら精々15位ですかね」


長年一緒に暮らした娘より1度体の関係になった男を選ぶのか?


凄いな…


「本当に、そうなのか…」


「うふふっ、焼きもちですか?安心して下さい。カップ精子を使って出来た子ですし、相手の素性は知っていますが、面識はありませんし…愛の上に生まれた子じゃありません。勿論、一緒に暮らしていたから愛情はありますが、理人様への愛とは比べようがありませんわ」


そうか…SEXが無いから『愛の結晶』という風に考えられないのか?


確かにそうかも知れない。


だとしたら、この世界の親子愛は俺が思っているより気薄なのかも知れない。


よく考えたらカセリアは親の事を話さない。


ミムに至ってはスラムで1人暮らし。


間違い無くそうだな。



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