2作目「赫の御嬢様」

赫の御嬢様、うららかかやや

アラベスク柄の白いハンカチがふわりふわり

純潔の唇に触れて、捨てられてしまうにも関わらず

それでもあなたは、御嬢様に慕うのね


蒼天にも関わらず

赫の御嬢様は自身のお宝を隠す為に傘を差し

赫と蒼は交わらないと言わんばかりに、面会を拒否するの

蒼はいつしか焼けていき、残るは皮の夕焼け

ファンデーションにもならない


皆が貴方様に跪くが、赫の御嬢様は顔色一つとて落とさない

貴方様の笑顔の蜜はとても貴重すぎて、一滴も塗れやしない

崇め讃えられようが

素敵な殿方が来ようが

真珠の眸は潤わない

そんなお誘いでは、赫の御嬢様は白に染まりもしない


秘密の言葉、うららかかやや

赫の御嬢様の一番好きな言葉

魔法のお菓子

声色は砂糖

色は赫

形は小さく小指で触る

それを舌と唇で造り上げている

赫の御嬢様の舌は情熱の赫

構成する臓物は残酷な紅

白肌なぶん、怪我をしたら紅が貴方様を汚して回る

それは危険だ、うららかかやや


怪我した時は、是非その魔法のお菓子を是非頂きたいものです

そう言うと貴方様は頬を赤らめ、真珠の瞳を逸らす

それくらい素直であれば、華として愛されるものを

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