『灼熱の勇者バーニングカイザーMAX』のキャラ

牧島 睦(まきしま むつみ)

 東領家中学校2年1組。

 2年生の初めから転校してきた、おとなしい女子生徒。

 部活を決め切れなかったが、5話で北欧神話部に入部。

 趣味や特技は特になく、生徒たちの会話について行けないので、休み時間は自分の席に座ってばかり。

 学校が終わると自宅に戻らず、母・みどりの勤めているコンビニ・24トウェンティフォーファミリーに向かい、深夜まで手伝っている。部活がない日に、萌がカラオケに誘っても「ママのところに行く時間あるし」とはっきり答えるほど(7話)、真面目である。


 転校生なので、クラスに友達はいない。

 それどころか、友達を作ることに何かしらの恐怖を覚えているようだ。

 それを態度でしか表せなかった睦だが、10話できらたちに接近した時にようやく自分の口で「友達を作るのも怖いんです」と告げるのだった。

 また、家ではなくコンビニで放課後を過ごすことなどから、睦には小さい頃からの体験(とくに旅行)がなく、煌たちと友達になって初めて「外の世界」を知るほどだ。


 転校前、戸畑から北欧神話の剣・レーヴァテインの魂を持つと告げられる。

 戸畑からはミラーストーンの原石も渡されており、自らスポットリーダーになってバーニングカイザーを倒すよう指示されているが、破壊の剣とも呼ばれるレーヴァテインを使う自信がない。

 何もできないまま3話で戸畑を目撃し、直後の4話でスポットを作ろうとするが隼徒はやとに止められてしまうのだった。

 これに限らず、「何もできない」と思うことは多々あり、何かあるとすぐに自分のせいにしてしまう。


 話の合う友達がいないことにより、無視され、時にはいじめられる。

 そんな睦は、煌と出会ったことでどう変わるのか。

 そして、自らに刻まれた魂・レーヴァテインを炎に包む瞬間は現れるのか。



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睦のこれまで


 中1より前、睦がどの学校にいたか、本人は口にしない。

 体育祭でリレーをやったことがない、カラオケをやったことがない、旅行に行ったことがない、など断片的に睦のこれまでの生活が分かる程度だ。

 ただし、10話で翠が睦の担任・中原からこう告げられている。


「牧島さんは、ここでも1年で転校されるわけですよね」


 中原のもとには、在籍していた学校の履歴が残っている。

 この言葉が正しいなら、ある事情で睦は毎年転校してきたことになる。

 友達を作ろうと思えない、という睦の内心とリンクしそうだが……。



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睦の日常生活


 先日したように、睦には趣味や特技がない。

 だが、3話で隼徒が企画した「好きなことビンゴ」で好きなコンビニに親の勤務先を書き、好きな曲がありそうな回答をしたということを考えると、何も好きなことがないわけではなさそうだが……。


 学校とコンビニ(と自宅)を行き来するだけの生活では、コンビニにあるもの、特に商品棚から外されたものだけを世界の全てだと思っている可能性がある。


 「ジャ〇プとかマガ〇ンとかサン〇ーとか、すぐ売れますから」


 「そういうアニメっぽい絵柄の4コマ雑誌も売れて、私には残らないんです」(ともに7話)


 友達がいないため、コンビニの外で体験もできない。せいぜい学校行事だけである。

 その学校行事でさえ、小学5年の林間学校は中止、小学6年は親ともども寝坊して参加できずだったため、旅行自体が15話・16話の「隼徒の別荘に1泊」が初めてだったりする。

 親が携帯やスマホを買う時間がないほど忙しいので、外の世界を分からないのだろう。



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煌との関係


 睦が「ま」から始まる名字で、煌が「み」から始まる名字だったため、クラス最初の出欠の時に煌がフライングで返事をしてしまったところから2人の関係が始まる。

 出会ったとき、既に「倒さなければいけない」バーニングカイザーの人だと分かっているものの、少しは興味を持っている。ただし、自分から声を掛けることはできず、誰かが話し掛けてくるのをずっと待っている。

 初めのうちは敵だと思って接してきたが、レーヴァテインについて深く学んだときに、煌に対する態度が変わり始める。


 「その魂を使うタイミングを自分で決めること。

  それが本当の強さだと思う」(4話)


 これ以降、煌から何度となく「使いたくもないアルターソウルを使わないほうがいい」とアドバイスされる。周りが面白がるか無視するかのどちらかしか示さない中、煌だけは真剣に向き合ってくれるのでは、と思い始めた。

 それがたとえ、本当は戦わなければならいバーニングカイザーの人と分かっていたとしても、睦は煌に近づき始める。それが決定的になったのが10話である。萌たちのいじめの原因を作ったことを素直に謝り、再び学校生活を始められるよう支える姿を見た睦は、長い間作れなかった友達を久しぶりに意識するのだった。

 その後は、夏休みに24ファミリーの休憩室で一緒に過ごしたり、隼徒の別荘への旅行でも一緒になったりと、積極的に声を掛けられる。まさに、煌に守られていると言っても過言ではない。

 それ故に、睦は誰よりも煌の本当の強さを分かっているのかもしれない。


 「それでも、誰かを守ろうとする気持ち、バーニングカイザーで見せています。

  だからキラくんって強いんです」(16話)



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陽翔との関係


 陽翔がバーニングカイザーからスルトの魂を持つと言われた(2話)段階で、ゲームの世界などでスルトが持つ剣・レーヴァテインを意識し始めていたため、睦は自らレーヴァテインの存在を口外した段階で陽翔に狙われていたと思われる。

 友達のように睦を守ると言った陽翔に対し、一緒に戦う相手だからと割り切って陽翔と北欧神話部に身を寄せるが、その後陽翔やレーヴァテインの「前提」が崩れることとなり、陽翔が消極的になりかけたところに部でいじめが起き、煌たちに傾いていくのだった。

 ただし、レーヴァテインの魂は北欧神話部で解放されたものであるため、誘ってくれた陽翔を振り切ることはできないようだ。19話でも、陽翔からレーヴァテインになって欲しいと誘われ、煌の前にもかかわらずはっきりと拒否ができなかったばかりか、ミラーストーンが消耗して通話が切れたことを素直に謝っている。守る、と言われたことに対する恩なのだろう。



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戸畑との関係


 戸畑は、24ファミリーの営業本部長であるため、睦が店にいる間に視察で何度も顔を合わせている。

 中2に上がる前、戸畑からレーヴァテインの魂の存在を告げられ、ミラーストーンの原石を渡されたものの、睦にスポットリーダーになるだけの自信はなく、本来攻撃対象だった煌から「使わないほうがいい」と教えられる。そのうちに、戸畑との約束を破って大出にミラーストーンを渡してしまう。

 そのため、戸畑に対しては常に恐怖心を抱くようになる。3話で隼徒と一緒にコンビニに向かった際には、戸畑が店の前に立っていたのを見て車の陰に身を隠すほどだ。

 煌を敵ではなく友達として見るようになり、ロボ部の一員となると、ますます戸畑からの風当たりは強くなる。


 「君に忠告してるはずですよ。

  レーヴァテインの敵は、バーニングカイザーだと」(17話)


 そのたびに、背筋の凍る思いをしているのだった。

 果たして、戸畑との関係は、今後どうなっていくのだろうか。

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