第1章
Ep.1
1年後の大学2年生になった今、
新しいメノアスーツは、甘露子が幼い頃に現実世界で見たライダースーツに似ている。
甘露子が見たライダースーツは黒だったが、メノアスーツはパステルピンクだ。
変わったのはそれだけじゃない。
甘露子は1年生のあの日の頃と比較すれば格段に強くなり、戦闘能力もメノア値も上がっている。
又、甘露子はヒカリと付き合っている。
これは甘露子が告白したところ、両片思いであったことが発覚したからだ。
授業もコンビで出席し、任務もいつも2人で遂行している。
甘露子とヒカリが住んでいるのは、電脳世界の中心地にある学園都市だ。
故に、この学園都市を守るという夜の任務も甘露子とヒカリたち《メノアの救世主》の重要な仕事なのだ。
それだけではない。
メノアの能力を使えるのは授業中と任務中だけだ。
甘露子とヒカリは同じメノア専科専攻の女子大生で、授業を共にすることも日常にある。
今日は2人は模擬戦にエントリーして学園の外に自動で飛ばされ、実地試験を受ける。
紅のヘルメットを被った2人は準備万端。既に臨戦態勢だ。
戦場に着地したところで、2人は宙返りをして前後からの攻撃をかわしながら、メノア粒子が入ったレーザー銃を左右2丁持って乱れ打ちしていく。
甘露子とヒカリの敵役の教頭はそれでも彼女たちを追いかける。
今1番強いのは甘露子だ。
というのも、ヒカリは既に疲労の色が動作に現われているからである。
甘露子はヒカリをかばうようにヒカリの背中を守り抜く。
「ヒカリ、先に上がって。地上は私に任せて」
「ありがとう。それじゃ、頼んだわよ」
ヒカリは校舎の屋上まで跳躍していった。
その間も甘露子は跳躍で前後左右からの攻撃をかわしきり、宙に浮いた体を回転させて地上の敵役にレーザーを浴びせていった。
合格圏にヒカリが先に入ったという表示が出ると、甘露子は焦り始める。
地上の教頭を倒すとすぐに甘露子も屋上に跳躍して立ち、宙返りして――メノア粒子で出来た双剣――にネオンライトの光が反射して煌めかせて敵役の大半を倒す。使用武器をレーザー銃に変更して追っ手を全滅させた。
体力ポイントはまだ満タンな甘露子は最強だ。
ケガも全く無い。悪の魔術師役の校長を見つけると、人並み外れた素早さで近づき、レーザー銃で攻撃。
また合格圏の表示が現れ、甘露子も合格圏に入った。
授業はここで終了し、甘露子もヒカリに続いて特別単位を得た。
ブレザーの制服に着替えて下校すると、ヒカリからメッセージが来ていた。
デートの行先候補が決まったらしい。
甘露子はドキドキしたが、同時に、ヒカリのことが気にかかる。
デートは1週間先の予定なため、甘露子はその間にヒカリが元気を取り戻してくれることを願う。
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