第9話

 そういえばレーツェルさんはお姫様な訳で。

 でもかなりフレンドリーに話してくれるなあと思ったら、長い事外国に留学していてその影響だそうで。


「あ、その前に・・・・あの時はロゼがごめんなさいね?私とリュークが抱き合ってキスしてるのを・・・・私からしたのにね・・・・ロゼったらリュークが無理やり私にキスしてると思い込んじゃって・・・・」

「あ、それはいいんです。仕方ないですよ、身分が違いますし・・・・」

「・・・・改めてごめんね?そして・・・・エリザヴェータとしてリュークに逢えて私凄くうれしいのよ?」

「ひ・・・・姫様・・・・」


「まあそのような事だから、何があっても私の正体を明かさないでね。それよりも、そろそろ行きましょうか。」

「はい、姫様。」

「こら!姫様じゃあなく私は魔術師のレーツェルよ。」

「そうでしたレーツェルさん。では、行きましょう。」

「あ、でもやっぱり待って・・・・やっぱり私、リュークが好き・・・・一寸だけ・・・・」

 あ・・・・腕輪を外してエリザヴェータさんとして僕に・・・・


 僕は久しぶりにキスをしました・・・・

 やっぱり姫様はいい匂いがします・・・・


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 帰りですが何事もなく安全地帯の近くに辿り着いたんだけど・・・・

 何やら女性のうめき声と、勇者様?とイディオさんの声が聞こえてきました。

『痛い・・・・止めて・・・・』

『聖女様・・・・申し訳ありません・・・・』


 あれ?今の声は・・・・聖女様と、ビーチェさん?


『オラオラ孕めやあ!出るっ!』

『アルフォンシーナ・・・・最高だyo!俺様の子供産んでくれya!イクッ!』


 ・・・・イディオさんと勇者様?が何か変な事を言っている。何が出て何処へイクんだろう?


 慌てて走るレーツェルさん。僕も追いかけて走ると・・・・


 そこにはマットの上で裸になって股間から血を流す女性二人と、その上でやっぱり全裸で起き上がっている男性二人が視界に入りました。


「見ちゃダメ―!」

 レーツェルさんが慌てて僕の視界を遮ってきました。

 女性の裸って見た事がなかったから衝撃的でした。

 でも何で股間から血が出ていたんだろう?怪我をしたの?

「ちょっと貴方達何してんのよ!何をしたのかわかってるの!?」

 レーツェルさんが怒り声で勇者様とイディオさんに問い詰めています。

「見てわかんねえのかyo!スキンシップだze!」

「この状況でよく言うわね!リューク、毛布を二つ取り出してちょうだい。」

 僕は慌てて取り出すと、レーツェルさんは聖女様とビーチェさんにかけていました。


 しくしく泣いている二人。

 そしてレーツェルさんは、

「許さない!」

 と言って勇者様達に杖をかざして魔術の準備に入ったみたい。

 ・・・・どうしてこうなるの?

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