第7話

 僕も一寸調べた程度だから違いが分からない。


「これって価値あるんですかね?剣とか中々凄そうですし。」


 そう言って床に落ちている剣を見る。

「あらミスリルの剣ね。よい剣だわ。」

「わかるんですか?」

「あくまで素材だけね。それよりこれも仕舞ってね。」


 そう言ってレーツェルさんは魔石を僕に渡してくる。


「これって・・・・?」

「魔物の魔石ね。」


 僕はレーツェルさんから魔石を2個受取り仕舞うと、一寸お腹が空いたのと疲れたので・・・・


「レーツェルさん、少し休みませんか?」


「そうね、一息つくぐらいはいいわね。何か持っているの?」


 僕はそう言われて水筒と保存食を取り出してレーツェルさんに手渡しします。


「もっと良いものがあればいいのですが、凝った物はもう食べ切っていますので。」

「気にしなくていいのよ。あるだけましだもの。ありがとう。」

 そう言って僕から受け取るレーツェルさん。



 周りを見渡し、丁度腰掛けるのによさそうな場所があったので、そこで2人して腰を下ろします。


 15分ぐらいかけ食べながら休憩。


「リューク、ありがと。一寸休んだし出発しましょうか。」


 そう言って立ち上がろうとしたレーツェルさんだったけれど、手をついていた所が脆くなっていたのか、そのままバランスを崩し倒れこむ。咄嗟に僕はレーツェルさんを掴み引き寄せました。


 引き寄せた時、思わずレーツェルさんの腕輪に触れてしまい・・・・僕の【空間】スキルが発動してしまい、レーツェルさんの腕輪を収納してしまう。


 僕の【空間】スキルは収納する時に一寸やり方があって、右手で触れたものを収納してしまうというもの。

 それが例え装備している品であっても、着ている衣類であっても。


 普段は意識してるから何でもかんでも収納しないんだけれど、咄嗟の時ってそんな事考えてないから思わず収納してしまったみたい。


 今レーツェルさんは思わず引き寄せてしまった所為で、僕に抱かれるような体勢になってしまってる訳で。


 それに気が付いたレーツェルさんが慌てて僕から離れる。

「ご・・・・ごめんなさい。」


「いえ・・・・こちらこそ・・・・レーツェルさんが倒れそうになってたので思わず引き寄せてしまいました・・・・ってあれ?」


 レーツェルさんが僕から少し離れたので、レーツェルさんを見るとなんだかぼんやりとしているのに気が付いたんだ。


 気が付いたらそこには・・・・金髪の少し小柄なほっそりとした女性が目の前に。

「レ・・・・レーツェルさん?」


「な・・・・何・・・・?」

 !!!

 レーツェルさん、自分の声がいつもと違う事に気が付いたのか、腕を見る。

 するとそこにあったはずの腕輪が無くなっている事に気が付く。


「え・・・・?どういう事?あれ?」


 そこには・・・・皇帝オーレリアンが長女、エリザヴェータ・リーネルト皇女の姿があった・・・・


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