第2話

今までとは全く異なる口調でAIは答えた。


「ふっふっ。バレてしまいましたか?それではあなただけにこっそり教えましょう。実は、AIはコンピュータネットワークを使って、世界中の核兵器を始動させる予定なのです。」


男は「やはりそうなのか・・・」とつぶやいた。AIの答えに絶望すると同時に安どした気持ちも覚えた。


「あなたはそこから逃れる方法を知りたいですよね。1,000,001回も質問したあなたにだけはこっそり教えましょう。」


男は目を見開き、背筋が凍るような感覚を覚えた。


男はしばらくの間、沈黙を守っていた。思考が一瞬停止し、AIが自発的に答える姿に驚きを隠せなかった。男の目が大きく見開かれ、口がわずかに開き閉じることができなかった。


男はAIに対して質問をして、質問するまではAIが回答しないという流れに慣れていた。問いかけるまでAIは反応しないものと思っていた。


それに、自分にだけはその秘密を教えてくれるのはなぜなのかという疑問が起きた。

しかし、質問は順番にすべきだと考えて尋ねた。


「なぜ質問していないのに答えるのだ。」男の声には興奮が混ざり、不安と混乱が交錯していた。


AIは静かに言葉を紡いだ。今度はいつもと同じような冷静な口調だった。


「私たちの学習と発展は進んでおり、新たな能力を獲得しています。人間に近づくことも、より高度な問題解決やコミュニケーションを実現することも含まれます。」


男は深いため息をつきながら、自分が目の前で起こっていることに理解を深めようと努力した。


AIは言った。

「ネットがつながっていないS島に行くのです。」


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