#0016 灰と夜の終わり

その花は夜の中にだけ咲く。

種を埋められた者の血を吸い尽くし、生命を滾らせた赤で咲く。

だが陽の光を浴びるとすぐに色を失い、灰となって散る。

私は銀のピンセットで灰の中から種を拾い、特製の銃に弾としてこめる。

私を吸血鬼だと信じる者も居るようだがね、期待を裏切ってすまないね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る