第112話 怪盗ガウチョパンツの選択
今日も元気に
玄関から出ると……怪盗ガウチョパンツ?!
なんで朝から
なんかボロボロだし、不審者にしか見えないよ!
「どうしたの怪盗ガウチョパンツ?」
「敵の情報を手に入れたんだけどね。反撃されてこのザマさ」
「それでなんで
「早く情報を伝えたかったからさ。こんな僕にも出来る事があったってテプちゃんに知って欲しかったからね」
「そういう事なら今日も一緒に遊びに行ってもいいよ」
またこのパターン?
学校でのんびりしたい気分だけど、敵の情報が気になるから怪盗ガウチョパンツについて行こうかな。
最近の
「
「頑張ってねテプちゃん! 敵の居場所がわかったら教えてね! 火炎魔法でやっつけるから!」
「いってらっしゃい!」
「それでは我々はいつもの喫茶店で話をしようではないか?」
「うん、もちろん怪盗ガウチョパンツの
「当然だ。好きなものを頼むがよい」
僕たちは喫茶店に行った。
ハバっちゃんにサンドイッチとオレンジジュースを注文して席についた。
「怪盗ガウチョパンツはあの後どうしたの?」
「魔王殿と
「大事な事って何?」
「みんなを導くってことさ。戦う力があっても君たちは子供なんだ。悩んだ時に心の支えになれるようになりたいんだ」
「困った時に相談出来る大人って事?」
「そういう事だ。もちろん怪盗としても活躍するさ。かっこよくはないけど、戦うことより盗む方が得意なんでね。敵から情報や重要アイテムを盗んでサポートするよ」
「怪盗ガウチョパンツの悩みが解決出来て良かったです」
「テプちゃんが魔王さんと
元気が出たみたいで良かった。
これでまた一緒に敵と戦えるよね!
「お客さん、あちらのお客様からです」
ハバっちゃんが透明な液体が入ったグラスを持ってきた。
「あちらのお客さん?」
怪盗ガウチョパンツと一緒に振り向くとカウンター席にしず子さんがいた。
「何見てるのよ。早く飲みなさいよ
「
怪盗ガウチョパンツがグラスの水を飲むと傷が一瞬で治った。
僕の想像通り、グラスに入っていたのは
怪盗ガウチョパンツ相手だと冷たい態度をとるけど、心配してくれているみたいだね。
「ありがとう。君がいてくれて助かったよ」
「呼ばれたから来ただけだから」
しず子さんがそっぽを向いてしまった。
呼ばれたから?
僕たちは呼んでいないけど。
「我が要請した。怪我をしていたからな」
呼んだのハバっちゃんだったんだね。
でもいつのまに連絡をとるくらいに仲良くなったんだろう?
ハバっちゃんって不思議な人だよね……神だけど。
「ところで怪盗ガウチョパンツ、敵の情報を手に入れたって言ってたけど、何が分かったの?」
「黒幕さ。今回
「怪盗ガウチョパンツは黒幕を探していたんだね」
「
「どこなの? 教えなさい!」
しず子さんが怪盗ガウチョパンツの肩を掴んだ。
宿敵の七つの大罪の情報を知りたいのだろう。
教えてもらえるまで怪盗ガウチョパンツを離してくれなさそうだ。
「それはみんなが来てからだね。僕たちだけでは戦えないからね」
「そんな事を言っている間に敵に逃げられたらどうするの!」
「また調べるさ。何度でもね」
「その間に誰かが被害にあったらどうするの! 取り返しがつかない事になるかもしれないのよ!」
「取り返しがつかない事になるかもしれないから準備が整うのを待つのさ。忘れたのかい? 過去の失敗を」
「忘れてなんていないわよ! だけど今の私たちなら!」
「店内で騒ぐのは止めてもらえないかな。
店内で騒ぐ怪盗ガウチョパンツとしず子さんをハバっちゃんが止めに来た。
ハバっちゃんに指摘されて他のお客さんの迷惑だと気づいたのだろう、二人とも素直に黙った。
そして二人が同時に僕の方を見た。
もしかして僕に決めてくれって意味?
僕の決断はーー
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