第91話 超・能・力!
僕達はハバっちゃんが持ってきた謎の液体を飲んで倒れてしまった増子さんを助ける為に、しず子さんを呼んだ。
「どうしたの?」
「実は謎の液体を飲んだら倒れちゃって……」
「しず子、
「分かったわよオハコ」
オハコが癒しの水を使うように急かせるので、しず子さんが癒しの水を増子さんの口に注いだ。
「増子おねえちゃん起きないね」
「何で起きないのかしら? 私の癒しの水で起きないって事は、負傷していないって事だとは思うけど……」
「いやぁ~。これは大変な事になりましたね~」
ハバっちゃんがのんきに言ったので、僕を含めた全員がハバっちゃんをにらんだ。
元々、ハバっちゃんが変な液体を取り出したのが悪いんだよね。
「何を飲ませたの? 教えなさい!」
「実は宇宙旅行中に貰ったから分からないのだ」
「何でそんな物を飲ませたの! 危険だとは思わなかったの!」
「飲ませるつもりはなかったよ。それに危険だとは思っていなかったからね。一回飲んだら事があるんだよ。不味かっただけで何も起きなかった!」
「不味すぎて気絶してるだけじゃないか。起きろ増子!」
オハコが増子さんを揺さぶったが、起きる気配はなかった。
「様子を見るしかないわね。命に別状はないみたいだから」
「ハバっちゃんは治せないんですか? 神様何ですよね?」
「申し訳ないけど人間の治し方は分からないね。神から見たら人間は弱点と欠陥だらけだからね。私の基準で治そうとしたら人間じゃなくなるよ」
「止めておきます。傍で見守る事にするよ」
僕達は喫茶店でゆっくり過ごす事にした。
1時間後、喫茶店の外が騒がしい事に気が付いた。
僕は気にしていなかったが、しず子さんが立ち上がった。
「
「うん、行こう! 今度は何の騒ぎかな?」
「スリとかかもしれないわね。魔法少女出撃!」
しず子さんと一緒に喫茶店の外に出ると、ライオンの様な髪型の大男が暴れていた。
「何してるの! 迷惑でしょ!」
「知るか! 俺様はレオディック・セブン。せっかく呼び出してやったのに俺様を吹き飛ばしたインチキ神をぶっ潰しにきたんだ! 出てこいアラハバキ!」
レオディック・セブン……名前に七がついているって事は、アクイアス・セッテと同じ七つの大罪の一人って事だね。
アクイアス・セッテと違ってパワータイプみたいだね。
ちょっと厄介だな。
相手は人間だから、
ここはハバっちゃんに任せるしかないね。
「ハバっちゃん、あのおじさんをやっつけてよ」
「お腹いっぱいだから動けんのだよ」
ハバっちゃんが情けない声を出した。
何でお腹いっぱいなの?!
「わたしが考えたオリジナルメニューを完全制覇してくれたからだよ!」
そうか~、
それなら動けなくて当然だよね……って何でそんな事になってるの?!
お金がないハバっちゃんに更に食べさせてどうするのさ!
仕方がない、なんとか この場を切り抜けないと。
「
「
「やってみようか?」
「分かったよテプちゃん」
シルクのドレスの如き
魅力に満ちた
「立ち
シルクの様に柔らかく見える炎の花弁がレオディック・セブンを包んだ。
なるほど、自分達を守るだけじゃなく、相手を包む事も出来るんだね。
「く、苦しい……」
レオディック・セブンが苦しそうに倒れた。
やった、窒息したんだね。
「やったね
「わたしの魔法は最強だからね」
「解除しちゃ駄目よ!」
しず子さんが叫ぶと同時にレオディック・セブンが起き上がって
「馬鹿め! やられた振りに
「何で平気なんだ!
「テプちゃん、
そ、そうだった……これは僕のミスだね。
どうしよう?
「この小娘はーーぐっ、このっ、なんだ?! があああっ!」
急にレオディック・セブンの腕が後ろに曲がっていった。
拘束が解けたので
「
「大丈夫だよ増子さんが助けてくれたから」
増子さんが助けてくれた?
振り返ると魔法のステッキを構えた増子さんが立っていた。
無事復活して良かった!
「ありがとう増子さん! 目覚めると同時に、魔法の力にも目覚めたんだね!」
「いや、これは超能力だね」
えっ、ハバっちゃん何て言った?
確かに魔法力を感じなかったような気がする。
増子さんが魔法少女じゃやなくて、超能力少女になっちゃった。
責任取ってよハバっちゃん!!
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