第69話 俺様も活躍したい!
「二人共ありがとな。少し安心したよ。でも俺様も活躍したいんだよ。しず子に力を与えるだけじゃなくてさ」
「魔法少女のお供の妖精ってマスコットキャラ扱いで良いと思うけどなぁ~」
「太ったタヌキにしか見えないプレナはマスコットにもなれていないだろ?」
「うるさいキツネよりマシだと思うよ。太っていても、ゆるキャラに見えるかもしれないだろ~」
「ないない。テプはどう思う?」
オハコとプレナが同時に僕の方を向いた。
僕の考えか。
僕達妖精は魔力を供給して魔法少女に力を与える事が出来る。
傍にいてアドバイスするだけで十分だと思う。
でもオハコのもっと力になりたいって思いも良く分かる。
僕だって
そうだ!
僕は
首からかけている袋の中には、僕のお尻の毛を引き換えに手に入れたアイテムが入っている。
オハコも
活躍出来るかどうかは謎だけどね……
よしっ、オハコに教えてあげよう!
「オハコ! 力が欲しいなら
「う~ん。俺様はアイツが嫌いなんだよな」
「なんで嫌いなの? 見た目は変だけどお金が無くても取引してくれる良い人だよ。 前にみんなで増子さんの魔法力を上げるために行ったよね? あの時は残念な結果だったけど、今回は大丈夫だと思うよ」
「実力は認めるけどさ、嫌いな理由があるんだよ」
「なんでなの? ハッキリ理由を言わないなんてオハコらしくないよね」
「まあまあ、それは聞かないであげたほうが良いと思うよー」
珍しくプレナに止められた。
プレナはオハコが
あれっ、もしかして気付いていないの僕だけ?
仕方がないなぁ。
良い案だと思ったけどオハコが嫌ならやめておこう。
「分かったよ。僕は
「待てやテプ! あの筋肉野郎からもらったアイテムで大活躍しただと! なんでそんな大事な事を言わなかった!」
「えっ、何で怒っているの? 僕は最初から提案していたと思うけど?」
「提案はしてた、だけど活躍は聞いていない。アイツのアイテムはしず子達のパワーアップにしか使えないと思っていた。俺様が活躍出来る可能性があるなら
「ええええええっ!」
「俺っちは必要ないと思うけどなぁー」
「行くぞ! お前ら!!」
結局、オハコに連れられて
いつ来ても禍々しい外観のお店だなぁ。
商店街にあるから入店しようとすると、どうしても目立ってしまう。
だけど通行人がいなくなるのを待ちたかったけど、オハコが止まらないから入店するしかない。
「あら、いらっしゃい。今日は大勢で来たのね。座布団を持ってくるから少し待っててね」
入店すると
相変わらず店内にお客さんはいない。
営業する意味があるのかなぁ?
警察との取引だけでよいと思うのだけど。
僕達は
ずぴぃ~。
えっ、プレナ寝るの早すぎ!
折角来たんだからプレナも
「おいっ! 俺様が最強になれるアイテムをくれ!」
「オハコ。人にお願いする時は、もっと丁寧に言わないと駄目だよ」
「いいわよ。オハコちゃんはしず子の相棒だからね。とっておきのアイテムをあげるわよ」
「けっ! そうだよ、俺様がしず子の相棒なんだよ! 早く力を寄越しやがれ!!」
「ちょっと待っててね」
「オハコちゃんには、これが似合うわよね。はい、どうぞ」
「オハコちゃんじゃねぇ! オハコ様だ!」
オハコが偉そうに叫んだが、王冠を被って嬉しそうだ。
いつも偉そうだから豪華な王冠が似合っている。
でも、こんなに豪華な王冠をもらったら後の支払いが怖い。
全身の毛を刈られるかもしれない……でもそれはそれで面白いかも!
いつも偉そうなオハコのツルツル姿は楽しみだな!
「折角来たからプレナちゃんにもあげるわね」
ふふっ、これでプレナもツルツルの仲間入りだ!
まだかな~、
「一応礼を言っておく! じゃぁな。おいっ、起きろプレナ! 帰るぞ!!」
「えっ、もう帰るの? 何だろう? 首が重い……」
「二人共! 支払いが終わっていないよ。お店なんだから、ただでもらったらダメだよね?」
「いいわよ」
えっ?!
タダでいいの?!
そんなのズルいよ!
「ててて
「しず子には借りがあるから良いわよ。増子ちゃんにもお世話になっているからね。面倒な呪物を触っただけで破壊出来るのは便利よね~」
「そんなぁ~」
結局、支払いをせずに帰る事になった。
いつも僕だけ損をしている様な気がするなぁ……
でも今回は僕もアイテムをタダで貰っている。
みんなが解決出来ない事があったら使ってくれって言っていたけど、何だろうこの指輪?
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