第67話 七つの大罪
急に僕の視界が持ち上がり、しず子さんと目が合った。
体に手の感触があるから
「テプちゃん、しず子さんが質問しているよ。ちゃんと答えないとね」
「
「そうだよ。魔法少女にとって妖精は保護者みたいな存在だからね」
「そんなぁ……」
僕が計画した事じゃないのに、何で質問に答えないといけないの?
しず子さんが怖いから逃げたいけど、持ち上げられているから逃げられられない。
仕方がないから頑張って弁明するしかないなぁ。
でも何て言えば良いのだろう?
本当の事を言ったら誤解されそうで怖いけど、良い案が無いからそのまま言っちゃおう!
「検証です。
「
そこなの?! 怒るポイント!
しず子さんの笑顔が怖いよ!
これは何を説明してもダメな状況なのではないだろうか?
「名前で呼ばないと、三人の内の誰の事を言っているのか分からないかなと思っただけですよ」
「テプちゃんは
「なるほど。
何で誤解されるような事を言うの?
もう怒ったぞ!
危険な鉱魔と戦う事は正しいんだから!
「そうですよ~。僕は
「悪と呼ばれても関係ない。奴らは人の心の弱さを突いてくるのだから。批判を恐れて行動すれば奴らの思うつぼ。敵の行動は徹底的に妨害しないとダメなのよ」
「敵ってなんですか!
「それでも、それがアクイアス・セッテの指示であれば妨害する必要があるのよ」
「何でですか? アクイアス・セッテってどういう人なんですか? 魔法少女になる力を与えられる賢者じゃないんですか?」
「私の……私たちの宿敵の仲間だからよ。テプちゃんは知ってるわよね。私たちの宿敵」
しず子さんの宿敵……僕には心当たりがある。
彼女がが言った私たちは僕達の事ではない。
しず子さん、
そういう意味であれば、賢者アクイアス・セッテは
この件は
でも何で宿敵だって分かったのだろう?
最初に名前を聞いた時は
「しず子さん、何で宿敵だって分かったのですか?」
「名前よ。奴らは名前の中に7を入れるの。セッテってイタリア語で7って意味なのよ」
「ふっふっふ~。敵は大罪に関わりがあるんだね」
「
「7がつく敵と言えば七つの大罪しか知らないから。普通過ぎてつまらないよね」
「そうだね。暴飲のつかない暴食とか弱そうだよね」
「
「知ってるよ。怠惰っていうプレナみたいなのもいるんだよ」
プレナが怠惰かぁ~。
それは合ってるけど、そういう問題じゃないと思うんですけど!!
僕達がふざけているから、しず子さんが怒っているよ。
「ふざけている場合じゃないの! 相手は人をこーー」
「魔法が使えるヤツが羨ましいいいいっ!」
急に増子さんが叫んだ。
きゅうにどうしたのだろう?!
「何言ってるの? 私は真剣な話をしているのよ!」
「僕も真剣だ! 魔法が使える相手が羨ましいから僕は嫉妬かもしれない!」
「あのねーー」
「あああああああっ。許せないいいいいっ!」
増子さんが叫び続けているから、しず子さんの会話が聞き取れない。
そういう事か。
彼女はしず子さんの話が子供たちに聞かせて良いものではないと気付いているんだな。
「分かったから静かにしてよ」
「分かれば良いっ!」
「はぁ~。
「大丈夫ですよお姉さん。冥王軍は最強ですから!」
「悪も罪も灰にして弔う。それが大魔導士なのです!」
やっぱり僕達が一番凶悪だよね……。
でも、いくら強くても子供なんだ。
殺人者の集団とは戦わせたくはない。
それに気になる事もある。
賢者アクイアス・セッテが七つの大罪の一人なら、何で魔法少女を生み出して鉱魔と戦っているのだろう?
正義に目覚めたのかな?
う~ん、なんだか僕達の想像出来ない秘密がありそうだな。
鉱魔と戦いながら探ってみるしかないかな。
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