第24話 魔力に込められた想い
今日はしず子さんに会う為に、一人でしず子さんの自宅まで来た。
この前の詩音さんの件とか、色々聞きたい事があったからだ。
「いらっしゃい~」
「まぁ、そこに座れや」
しず子さんとオハコが出迎えてくれたので、座布団に座った。
「俺様は昼寝をするから」
「オハコは話をしないのかい?」
「そういうの苦手だって知ってるだろ? 俺様は敵を倒してスカッとするのが好きなんだよ」
オハコがぷいっと反対を向いて座布団に寝ころんだ。
「はいっ、テプちゃんはジュース飲めるかなぁ~」
「大丈夫です」
僕はしず子さんが飲みやすいようにお皿で出してくれたジュースを舐めた。
「今日は何を聞きたいのかな~?」
「この前の詩音さんはどうなったのですか?」
「昔と同じでただのパシリだったわよ~」
パシリ?
しず子さんが言うと違和感が凄いな。
「えっと……結局犯人だったのですか?」
「そうよ。でも利用されていただけね~。あの小悪党に呪具を扱う才能はないですからね~」
「それなら真犯人は捕まっていないのですか?」
「手がかりはないですね~」
そろそろ本題に入ろうかな。
しず子さんの魔力に込められていた想いについてだ。
エジプト展の事件も気になる事だったが、魔法王国の妖精としては、魔法の事の方が重要なのだ。
「しず子さんの魔法は……何でそんなに必死なんですか?」
「必死ですか? ケガが治って欲しいからですよ」
「言いづらいけど、しず子さんの魔力に殺伐とした感情がこもっているのを感じた。悲壮感すら感じる程の必死さは何でなのかなと思って……」
「そいうのも分かっちゃうんだ……」
「僕は魔法王国の妖精だから。そういうのを感じ取る力があるんだ」
「必死なのは誰も死なせたくないからよ。私達は昔、
しず子さんが昔の事を教えてくれた。
幼馴染だったしず子さん、
しず子さん達は
ある時、しず子さんは
しず子さんは腕っぷしに自信があったし、
だが、回収に向かった魔道具が生み出した魔獣は学生三人の手に負える物ではなかった。
結局、駆けつけた
二人の命と引き換えに……
「今ので分かったかしら? 私が魔法に込めた思い。私は自分の甘さが許せないの。だから殺意を込めてしまう……
「ごめんなさい。辛い思い出を話させてしまって……しず子さんは強いのですね」
「弱いわよ。私は何もしてこなかったから。魔法少女に選んでくれなかったら、今も何もせずに生きていたと思うわよ」
「本当は
「手伝えないわよ。
「
「
「……凄い姿ですよね」
「
「そうだったんですね。初めて会った時は服装と話し方が独特でビックリしました」
「お母さんの真似なんてしなくて良いのにね」
「真面目な人なんですね、
「そうなのよ。だから私は彼の人生を歪めてしまった自分が許せないの」
僕には返せる言葉が無かった。
しず子さんに思い詰めて欲しくはなかった。
でも、部外者の僕が言っても伝わらないだろうなぁ……
「ごめんなさいね~。こんな話をしてもテプちゃんが困るだけよね~」
「大丈夫です。困ってはいないです。今日は色々聞かせてくれて、ありがとうございました!」
「どういたしまして~」
しず子さんの魔法が、奇跡の回復力を誇る『
過去の辛い経験が理由だったんだね……
そして変身ブローチに付けられている
あれがオハコの魔力を越えた力を発揮させているのは間違いない。
あと、ついでに
糸園家の人は昔から寄生虫と共存している家系だそうだ。
文字の形になることで意志の疎通が出来るらしい。
寄生虫が普通に生活しているなんて……どうなっているんだ、この町は!
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