眞柴りつ夏

いつだって 忘れたい過去は 鮮明に

——いつだって忘れたい過去は鮮明に




好かれたいその思いが日々締め付ける

愛情を感じぬままに二十歳すぎ

飢えに飢えそれでも勇気は出せなくて


ダメだと知っててのめり込む

そんな自分に気づかぬふりで






飲み会で必ず隣を死守するの

また隣?笑う貴方に誤魔化して

でもきっとこの気持ち貴方分かってる

わたしにだけ見せる悪戯な表情

悔しい けど好きだから仕方ない


終電をわざと逃す解散間際

やっちゃった そう言いながら見上げてみる

少しの間 なんでもない風でそれはきた

まさかと我が耳疑って頬もつねる

それを見てまたも貴方悪戯っぽく笑う




心臓がたてた事のない音を出す

ゼロ距離で聞く息忘れることはない

記憶に留めるために手を伸ばす





いつだってわたしだけのものならないの

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

眞柴りつ夏 @ritsuka1151

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ