処刑された勇者の俺、なんか悪役令嬢に転生してて笑う ~婚約者より可愛い竜と金貨に夢中です! あと私は聖女ではありません~

星屑ぽんぽん

1話 悪女は笑う


 俺の名はアルス。

 ちまたじゃ勇者アルスなんて呼ばれているが……平民出の俺がまさか、こんなにも豪華絢爛な【星姫のお披露目会ファッションショー】に参加できるなんてな。

 いや、俺は普段からお偉いさんが集まる社交界ってやつには興味がなかった。

 でも今回ばかりは顔を出さないといけない。


 なにせお世話になった姫様きってのお願いじゃ断れない。


「ごらんになって、勇者アルス様よ!」

「なんて凛々しいのかしら!」

「とても素敵な御方おかたなのね……!」


 かしましい貴族令嬢さん方の熱い視線を浴びながら、俺は姫様が用意してくださったサーコートを着てランウェイを歩く。

 鍛え抜かれた大胸筋やら、太い肩や腰回りが非常にキツイ……が、どうってことない。


 なぜなら、これこそが待ち望んだ平和ってやつだから。

 煌びやかな花々も、賑やかな貴婦人たちも、和やかな貴公子たちも、みなが新作ドレスなどのお披露目に夢中になっている。


 ああ、この光景こそが……俺たちが願った平和そのものかもしれない。

 たかだか新しいデザインの服を見せるだけで、誰もが沸き立つなんて笑える話だ。

でもこれが10年以上もの戦乱を乗り越えて、ようやく掴み取った平和な景色。


 見ているか? 志半ばに散って行った同胞たちよ。

 多くの犠牲を払った戦友たちよ。


 これが……俺たちが成し遂げた光景なんだ。


「見て! 勇者さまが『聖なる花道ヴァージンロード』を歩まれるわ!」

「まあっ! あのお噂は本当だったの!?」

「穢れなき者しか歩むことが許されない道を……堂々と歩いてらっしゃるわ! ますます素敵ね!」


 はっ。

聖なる花道ヴァージンロード』ねえ。

 お貴族さまは何かにつけて縁起や意味を付けたがる。


 なんだったか、確かこの道は『身も心も清らかなる処女か童貞じゃないと歩けない』んだっけ? まあ確かに戦いに明け暮れた俺は、恋愛なんてしてる余裕はなかったから。

 ただ、恋愛ができなかった原因は他にもある。

 それは俺の……大鬼オーガよりも大きなこの図体を、誰が愛してくれるって言うんだ。騎士団の中じゃ『怪物』と影口をこぼす奴もいたけど、そんなに太いかねえ……太いか。

 ま、勇者なんて聞こえはいいけど、敵軍から見たら多くの命を刈り取ってきた怪物さ。

 

 そんな俺にも、こんな栄誉の場を設けてくれたのは感謝でしかない。

 そもこれも全部、姫様のおかげだ。


 あぁ、上座から姫様が手を振ってらっしゃる。

 俺なんかに美しい微笑みを向けて——————


 ん? 身体が熱い?

 あっ、全身が焼かれるように熱い!?

 まるでドレスが燃えているような激痛に、心臓がドクリと脈打つ。


 それから俺の視界は一瞬、真っ赤に染まる。

 そして再び目に映った光景は、かつての地獄……戦場そのものだった。


 なんだ、これ……っ!? なぜここに敵が!? 周囲にいる全員が敵!?

 唐突に訪れた恐怖と絶望、そして形容し難い怒りが全身を包む。



「アガアアアアアアアアアアッ! シッ、シネエエエエエ!」


 狂気と激情のままに近くの敵を殴る。

 勇者としての怪力を、精霊力を駆使して捻り潰す。

 

「アルス! なんてこと!?」


 ふと姫様の声が聞こえた瞬間、視界は【星姫のお披露目会ファッションショー】に戻る。


「……ア、あぁ? ヒメ、さま……?」


 見ると俺の足元には、顔が弾け飛んだ令嬢や貴公子たちが倒れていた。

 まるで誰かに殴り殺されたかのような——————


「アルス! どうしてそのような暴挙に出たのですか!?」


「アッ、アァ————?」



 ちがうのです、姫様!

 あれ? 声を出そうとしても上手く喋れない。


「どうか大人しくなさい! どうか、お願い! 私の勇者よ!」


 何が起きたかわからない。

 でも姫様がそう言うなら、俺はひとまず大人しくすることにした。


「今から精霊殺しのかせをつけるわ! これでアルスも落ち着くはずよ!」


「おお……姫様の願いが通じたぞ」

「あのような狂暴な怪物にも果敢に近寄るとは……」

「まさに聖女のようだ……」


「勇者殿に魔が乗り移ったのか!?」

「まさか……『聖なる花道ヴァージンロード』が、勇者の邪悪なる正体をあぶりだした……?」


 ちがう、俺はタダ……。

 朦朧とする意識のなか、俺はひたすら弁明し続けた。

 だけど、その言葉は誰にも伝わることはなかった。



『————華々しく死に散りなさい』


 意識が途切れる刹那、姫様の声が聞こえたような気がした。





 俺の名はアルス。

 ちまたじゃ勇者アルスなんて呼ばれていたが……今じゃ希代の大悪魔とか、大鬼オーガだとか言われている。



「これより『大悪魔』アルスの公開処刑を行う!」


 大聖堂の鐘楼がけたたましく鳴り響くなか、俺は両手を【精霊殺しのかせ】、両足を【異界封じの枷】で拘束されたまま、民の前に投げ出された。勇者としての力を封じられた俺は為す術もなく、無様な恰好で民の目に晒される。


「何かの誤解だ! 私はただ————」

「大罪人に口を利く権利などありません」


 俺の主張をぴしゃりと遮ったのは姫様だった。

 いついかなる時も勇者としての俺の活動を裏からバックアップしてくれた御方だ。

 彼女は階級制度の厳しいアストロメリア王国内で、平民である俺を登用してくれた恩人でもある。貴族のお偉方の顔つなぎから、資金援助などもしてくれた慈悲深き御方。

 

「アルス……貴方あなたには失望しました……まさか貴方の正体が、大悪魔だったなんて……」


 その姫様が今では俺を親の仇でも見るかのように、憎悪に満ちた顔で見下ろしている。

 そしてそれは俺に注目する民たちも同じだった。


「何が勇者だ!」

「お前のまいたやまいのせいで娘は死んだ!」

「この猛毒魔め!」

「血も涙もない悪魔め!」


 処刑場に集まった民が口々に俺への罵倒を放つ。

 これが年頃の娘さんなら堪えてたろうが、あいにくと俺は十代で人を捨てた身だ。武力の世界でもみくちゃにされた俺にとって、敵兵がぶつけてくる悪意や殺気に慣れている。

 とまあ、そんなわけでいくら心無い言葉をぶつけられようが弓矢ほど痛くもないし、突き刺さりもしない。

 ただ、気になるのはそのどれもが身に覚えのない内容ばかりだってことだ。


「貴族殺しの罪だけじゃなく……貴方が病を広げていただなんて……! 私をずっと騙していたのね!?」


 悲痛な様子で糾弾する姫様に、俺は懸命に訴える。


「誤解です! 俺は戦災で苦しむ村や街を回って、癒しの精霊を……! どうか民に誤解だと釈明を……!」

「私は今まで誰よりも、勇者アルスを支援してきたと自負しております」


「であれば、姫様ならおわかりでしょう? これは何かの間違いです!」

「ええ、間違いでしょうね」


 姫様は俺の言葉に耳を傾けてくれたのか、ニッコリと満面の笑みを浮かべた。

 だが、それは民を慈しむ見慣れた笑顔ではなく、ゾッとするような恍惚の笑みだ。



「姫である私より、貴方あなたが目立つなんて間違いは正さないといけません」


「……は?」


 それから気色悪い笑みを瞬時に引っ込めた姫様は、心底悲しそうに……まるで悲劇のヒロインを演じるように民へと語り掛けた。


「戦災復興と偽り、民に疫病をばらまくなどと……どうして……! 民と私を裏切ったのです!? 貴方を信じていたのですよ……!」


 心苦しそうに涙を流す姫様。

 さっきの醜悪な表情が、見間違いや幻の類だったのだと勘違いしそうになる。


「や、えっと、は? 俺はただ戦後の巡礼をしていただけでして……!」


 混乱しそうになった俺だが、どうにか無実を証明したくて言葉を絞りだす。

 だが、姫様はそんな事は知ったこっちゃないと演説をどんどん進める。


「家族を失った民がいる前で、よくもそのような虚言を吐けたものね。貴方の邪悪さはわかりました……悲しいですが、最後に罪深き貴方へ聖句を捧げましょう」


「そんな悪魔に聖句を!?」

「姫様はなんて慈悲深いんだ!」

「姫様万歳!」

「クソ悪魔め! 聖教に反した行いを後悔しながら死ね!」


 姫様がゆっくりと近づき、耳元でそっと囁き始める。


「未来のない貴方にお恵みとして、高貴な私が親切に【秘密】を捧げてあげます」

「……秘密?」


 姫様は処刑場の誰にも聞こえない声量まで落とし、つらつらと語る。


「貴方の着たコートに『狂戦士バーサク』の毒を塗布したのも私」

「え?」


「あら? これでは、みなが貴方を暴虐極まりない化物だと思いますね?」

「うそ、ですよね?」


「貴方が治療した人々に毒薬をまいたのも私。貴方が訪れた地の水源に毒をまいたのも私」

「……何を言って……?」


「あら? これでは、みなは貴方が病をまき散らした悪魔だと思いますね?」

「なぜ、こんな仕打ちを……?」


「勇者アルス。貴方が私より目立つからです。それともう一つ、哀れな罪人にわたくしの啓示を教えてさしあげます」


 不気味な笑みで俺を見下ろす姫様は、もはや俺の知る姫様ではなかった。


「準備しておいた治療薬を、これから民に配るのも私」


 いや、今までずっと隠していた黒い部分をさらけ出しただけに過ぎないのかもしれない。


「貴方は今まで必死に王国の兵を、民を救い奔走してくれたわね。あら? でも貴方は悪魔として処刑されるわ。そうなると勇者アルスの功績は……」


 小首を傾げて更に笑みを深める姫様。


「勇者を支援していた私のものね? 王国を勝利に導き、民を疫病から救った聖女が私」


「そんな……」


「ぜーんぶいただきます。ご苦労様、使い捨ての元勇者さまあ」


 ニチャリと姫様は笑う。

 それからさらに衝撃的なことを最後にこぼす。


「貴方の馬鹿なお仲間も今まで本当に、本当に、私のためによく働いてくれたわ。使い潰すのはとっても楽しかったのよ? そして最後が貴方の番ってわけ」


 ああ……なるほど。

 全ては姫様、あんたが黒幕だったのか。

 大の男どもを手玉にとって思い通りに国を……いや、世界を裏で動かしてたなんてねえ。

 痺れるねえ。

 

 いいさ。

 権力至高の男共なんて馬鹿な奴らばっかりし、俺はもっと馬鹿だし……だから、あんたの調略に落ちたのは納得だよ。


 ただ、一つ。

 俺にだって後悔してることがある。

 戦友たちあいつらを守れなかったこと。

 もしあいつらの死に、この女が関わっていたとするならば————


 絶対に許せない。

 どうにかこの女だけでも殺しきりたい。


「あらあら! 死を目前に恐怖し、暴れるなんて……元勇者さまが呆れますね!」


 姫様は大仰に驚いてみせ、数瞬後には再び悲しみに満ちた顔へと戻り、民へと振り返る。


「この者は自らを勇者と偽り、王国に病魔を広めた大罪人! 多くの民を死なせた希代の大悪魔アルスを、民の声と星の神々に代わり! アストロメリア王国第一王女ステラ・コーネリウス・ロア・アストロメリアの名の下に処断いたします!」


 喝采する民を見つめ、俺は怒りと屈辱、そして後悔が一挙に押し寄せ————

 呆けていた。


 必死に守り抜こうとしていた人々は今や、俺の死を望み……憎悪と愉悦と好奇の眼差しを向けている。



「悪魔め、死んじまえ!」

「絶対に許せない!」


 真実が見えないお前たちこそが悪魔だろう。

 あぁ、許せない。


「あの勇者さまが処刑とか笑えるなあ!」

「どん底で無様だなあ!」 


 成功を妬み、そしるお前たちこそ嘲笑の対象だ。

 いつまでも他者を蹴落とす快楽に浸っていろ、高みを目指せぬ者たちよ。


「いよいよお楽しみの処刑だ!」

「あの勇者さまが死ぬ姿なんて滅多に見れないショーだぞ!」

「化物め!」


 お前たちこそ、殺しを愉悦に感じる化物だろう。

 ……ああ、俺が必死に守ろうとしてきた人々ってのは、こんなにも醜いものだったのか。


 無謀な理想を掲げ平和のために……共に命を捧げてきた戦友なかまたちには悪いけど……。

 辛く長い戦いを乗り越えた先で、こんな仕打ちが待っているのなら俺はもう終わりにしたい。

 戦友のあだかもしれない、目の前の女を殺せないのは一生の後悔だが……もうその一生もすぐ終わる。

 だから、最後ぐらいは穏やかな気持ちでいたい。


 ようやく、ようやく戦友おまえたちのところへ行ける。

 

 勇者としての責務や誇りから解放された俺は————

 死した戦友たちを胸に瞳を閉じた。


 断頭台に首をかけられ、そして——————




「………………」



 …………。

 ……。



 ん?

 首を落とされる感覚はまだか?

 それとも死の恐怖を増長させるために、姫様がわざと時間をかけている?


「…………」


「——っさま?」

「————すの!?」


「——リア様! ——マリア様! マリアローズ様?」

「ちょっと、聞いてますの!? 姫殿下主催のパーティーでそのように茫然とするなんて、無礼ですわよ?」

「マリアローズ様は他人の婚約者に節操なく手出しする悪女ですから、私たちを無視するのも当然なのかしら」


 目を開けてみるとなぜか処刑場は忽然と消えていて、代わりにクスクスと忍び笑いをもらすご令嬢たちがいた。

 え、あれ?


「ここは……宮殿の中庭……?」


「帝国の宣戦布告に恐れ慄きすぎて、私たちの言葉を聞く余裕すらないのかしら」

「無様よね」


「帝国の宣戦布告は……15年も前では……?」


「以前から伯爵令嬢にあるまじき残念な御方と存じておりましたが、どうやら残念なのは素行だけでなく頭の方も残念なようで」

「マリアローズ様はいつまでそのように呆けていっらしゃるの?」


「マリア、ローズ……?」


 急いで自身の頭の中にある貴族名鑑を引っ張りだす。

 マリアローズ……それってワガママで有名な伯爵令嬢の名前……?

 あれれ、ちょっと待って。

 なぜ令嬢が着てそうなフリフリのドレスなんて身に着けている?

 さっきからお腹のあたりを物凄い力で締め付けられるこの感覚はなに?

 まさかこの俺がコルセット……?

 

 きっつ! ほんとにお腹がきっつ!


 いやいや、それよりも重大な喪失感がある。

 処刑によって首を落とされたり、腕や足を消されたりはしていない。

 しかし、長年連れ添った……俺の股の間にあるはずの……。


 聖剣の感覚がない!?

 俺のエクスカリバーが消えてる!?


 うそ、えっ!?

 もしかしなくても今は俺がマリアローズ!?

 しかも15年前!?

 ってことは、俺って今は12、3歳の【乙女の社交界デビュタント】を控えたご令嬢になってる!?

 どうして!? 夢!?


 俺は発狂しそうになるのを、どうにか勇者としての強靭なメンタルで抑えつける。

 戦場では冷静さを欠いた者から命を落とすから。

 混乱するよりも状況把握が先だ。


 俺は動揺を隠しつつ目の前の2人の令嬢へと視線を向ける。

 すると、不思議なことにマリアローズとしての記憶が断片的に蘇る。


 2人は自分よりも家格的に劣る。

 片方はミモザ男爵令嬢で、マリアローズが彼女の婚約者を誘惑した腹いせで当たりが強いと。もう一人はルピナス子爵令嬢で……ええと、以前の舞踏会で流行遅れのドレスを着ていたから、マリアローズがワインをわざとかけてさしあげて、『これで華があるデザインになりましたわ』と侮辱した————うわあ……マリアローズ伯爵令嬢って、いや、我ながら……最低すぎる。

 俺がやられてたら、殴ってマリアローズの人生を終わらせてるな。


「それにしてもステラ姫殿下のご活躍は輝かしいですわね」

「その美貌もさることながら、聖教会から聖人の才もお認めになられたもの」


「兄君を差し置いて王位継承権第一位になるかもしれないとのお噂があるほどです」

「まさに王国の星々を見守り、闇を照らす月そのものですわ。なんて尊き御方なのでしょう」


 令嬢たちの視線の先には、うら若き頃の姫様が確かにいた。

 その美貌の裏に隠された本性を知ってしまった俺は、遠巻きで談笑している姿を目にしただけ吐き気を催しそうになる。


「私にもステラ姫殿下のご派閥からお誘いがこないかしら?」

「何でも姫殿下のお茶会サロンにお誘いいだたけるのが第一歩だそうよ?」

「素敵! 憧れですわね!」


 思えば姫様はいつも輝いていた。

 どこにいても誰といても、常に自分が世界の中心であるかのような顔で、巧みに人々を動かすのが上手だった。


 そして、敬愛する剣の師ダンテ伯爵が戦死した時も————

 戦友のアレク公爵が帝国の計略で命を落とした時も————

 生涯の友ミカエル王子が病に伏し、帰らぬ人となった時も————

 幼馴染のユーシスが逃れられぬ呪いに侵された時も————

 勇者である俺の処刑も————


 全て姫様の命令が発端となっていたと気付く。

 俺たちが死んで誰が得をした?

 誰の名声の糧になった?

 答えは簡単だ。全て姫様のものになった。


 そうか。

 全部はあの女が仕組んだシナリオだったわけだ。


「ステラ姫殿下が聖女なら、マリアローズ様は悪女ね」

 

 これでもかとルピナス子爵令嬢が嫌味をぶつけてくるが、俺は真っすぐに姫様を見つめ続ける。


 真の悪女は俺たちを利用するだけ利用し、罪をでっちあげて使い捨てにした姫様だ。だけど、今も昔も未来でさえも……彼女は確かな権力と人望を巧みに手繰り寄せ、社交界の中心で煌びやかな笑顔を咲かせている。


 心底、憎い。

 自分の愚かさも、姫様の悪逆非道さも、全てが悲しくて……思わず瞳から感情の雫があふれ出そうになる。

 でも泣き寝入りするぐらいなら————


「いいね、悪女」


 正義が勝者にあると言うのなら。

 自分の願いを叶えるために、手段を問わないのが悪女というのなら————



「悪女になってさしあげますわ……ただし、聖人と讃えられた勇者おれ流のやり方で」


 俺は姫を見つめ、不敵に笑う。

 お前の望むシナリオ未来を、全てぶち壊してやろう。





◇◇◇◇

あとがき


【※マリアローズからのお願い】

皆様にお願いがございますわ。


ほんの少しでも

『面白いわね!』

『続きが読みたくなるわ!』

『陰ながら応援していますのよ!』

と思ってくださった方は、作品フォローやレビューをいただけるかしら?


レビューの【☆☆☆】を【★★★】にしてくださった方がいましたら、私、嬉しすぎて笑みが止まりませんわ。


『更新』を続けていく『大きな力』になりますので、どうか何卒よろしくお願いいたします……!

◇◇◇◇


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