第6話 立候補
モデル並みのスタイルの美少女。背も高い。ポニーテールの髪がよく似合っている。同じ制服を着ていても、抜きん出て目立つようなカリスマ性。
この学校の生徒会長……
そんな彼女が、進級当日に遅刻……? 本当に珍しい。
「すいません……」
見ると、
「いや……」守衛さんも、まさか会長が遅刻してくるとは思っていなかったのだろう。「まあ、キミがわざと遅刻してくるとは思ってないよ。注意なんかしなくても、いいだろうさ」
「……いえ……まだ、精進しなければ……」
こんなヘコんでいる会長は初めて見た。いつも自信満々で、常に誰かから憧れられているような人だと思っていた。
「おや……」守衛さんが僕たちに気づいて、「キミたちも遅刻?」
「あぁ……はい」
「遅刻理由は? 場合によっては、遅刻がつかないよ」
「ちょっと犬と戯れてました」
「そうか……じゃあしょうがないな」なんか認められた。「3人共、どうぞ。門を開けるから……入っていいよ」
そうして守衛さんに門を開いてもらって、僕たちは校内に入った。
「情けないところを見せたな」生徒の前だからか、
「いえ……」僕に話しかけてるんだよな……? なんか距離感近いな……「誰だって、寝坊くらいしますよ。人間なんですから」
「ありがとう」
そんな世間話をしながら、靴置き場に移動する。
……というか、僕は今……両手に花だな。学校最高級の美少女を2人連れ歩いている。しかも片方には告白されている。
……他の男子に見られたら、嫉妬されるんじゃなかろうか。刺殺されるんじゃなかろうか。
さて靴を履き替えて、職員室に移動する。この中でクラス替えを把握している人はいないので、3人で職員室に向かう。
「その……なんだ……」気を使ってか、
「……」
なんとごまかそうかと迷っていると、隣の
「私から告白しました」
「……ほう……」なんか一瞬だけ睨まれた、気がする。「……返事は?」
「保留されちゃいました。友達からって」
「なるほど……」
……なんだろう……この学校って交際禁止だっけ? そんな校則はなかった思うけれど……
じゃあ、なぜ生徒会長
「では、まだカップルは成立していないということだな?」
「……」
「ならば、私が立候補しても問題はないな?」
……
……
あれ……? これ、夢の中?
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