そらの種
上田 右
消える
落ちていく私の子を見る。
白い羽毛で覆われた綺麗な子供達。
生まれた理由を知っている。
消えるわけも知っている。
あらゆる手段を駆使した。
身を削って命を生んだ。
半身を削って、燃やして、種の選択までも行った。
それでも子供達は消えていく。
手を取り合って踊るように。
遊んで戯れるように、くるくると。
下に落ちるまでのあまりに短い命を燃やして。
私の幾万の手も幾億の指も子供たちを抱き留められない。
知っているよと笑ってくれる。
分かっているよと慰めてくれる。
きっと大丈夫と励ましてくれる。
もうあまり無い。
あと少しなのに。
もう少しで気付くのに。
後は貴方だけなの。
アナタが最後なの。
こんなに美しく育ったのに澱みが消えない。
行き付けなかった、又消えた。
お願いします受け入れて。
もうあまり無いのです。
私の子も、私の命も。
このままではこのそらは消えてしまう。
又無為に時間が過ぎる。
おねがい、美しい青い星よ。
そらの種 上田 右 @kanndayuu
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