第23話 みんなロボットが好き
「――侵入者を発見。排除開始」
〝ゴーレムだ! しかも金属製!〟
〝まるっきりロボットだな。格好いい〟
〝プラモ化希望〟
〝もっとじっくりみたい。拓斗さん、後ろに回り込んで〟
〝おお、後ろのディティールがいいね〟
〝こら! 人がじっくり見てるのになんで破壊するんだよ!〟
〝美しいロボットが台無しだよ!〟
〝あーあ、こんなメチャクチャに叩き潰しちゃって……〟
〝倒すならもっと原形残してよ!〟
「そんなこと言われても敵だし……ばあちゃん、リスナーのみんなが、ゴーレムの原形を残して欲しいってさ」
「え、なぁに?」
〝間に合わなかった!〟
〝せっかく二機目が出たのに、なんか黒い空間に引きずり込まれた〟
〝マジで跡形もない〟
〝ブラックホールだな〟
〝ブラックホールってそんな気軽に出せるのか……?〟
〝そう言えば前、拓斗さんが重力を操ってアミーリアたんの光魔法を防いでたな〟
〝青森県ではよくあることか……〟
「……あの二人を見てると、魔女だと恐れられていた自分の過去はなんだったんだろうと思えてきます……っていうか強すぎますよね! みなさんもそう思いませんか!?」
〝思う思う〟
〝俺も冒険者として結構自信あったけど、この配信で自信を失った。まあ最近は開き直れたけどな!〟
〝あれ? アミーリアたん、今はコンタクト型デバイスつけてないんじゃ?〟
「見えなくても、どんなコメントが流れてるか想像できます。ああ、三体目のゴーレムも木っ端微塵に……あれって私の塔にあったのより遙かに高性能なんですけどね。私のだってかなり苦労して作ったのに、それより強いのをあんな簡単に……あれじゃ残骸を調べて研究することもできません!」
〝全くだよ!〟
〝これじゃどんなデザインか分かりゃしない〟
〝なぁに、あとでスロー再生して俺が3Dデータにしてやるさ〟
〝頼もしい!〟
〝いや、現物を確保しろよ。拓斗さんとシルヴァナさんがちょっと我慢すればいい話〟
〝我慢すればロボットが手に入る〟
〝拓斗さんも男の子だからロボット欲しいよな〟
〝リンゴ畑を走らせようぜ〟
〝ロボットで東京まで行ってお台場のガンダムと並べよう〟
「え。アミーリアさん、手本があれば同じの作れるの?」
「同じではありません! 私はもっと凄いのを作って見せますよ!」
「もっと凄いロボット! よし、次に出てきたら俺もばあちゃんも手を出さない。アミーリアさんが相手してくれ」
「え、私が一人で!?」
〝頑張れアミーリアたん〟
〝塔の魔女の意地を見せろ〟
〝よしゃ、出たぞ!〟
「あわわわわわわ」
〝怯えながらも電撃魔法を撃ちまくってる!〟
〝目だ! あの光ってる目が弱点に違いない!〟
〝ゲームだとありがちだよなw〟
〝目に当たったら本当に苦しみだした〟
〝俺らのアドバイスのおかげで勝てた〟
〝アミーリアたんはデバイスつけてないからコメント見えてないぞ〟
「凄いな。本当に原形を残したまま倒した」
「手加減って難しいのよね。私たちだったらこう上手くいかないわ」
「はは……手加減はしてませんけどね……ところでどうやって持って帰りましょう?」
「うーん。重さそのものは大したことないけど、持っていくのは邪魔だからなぁ。ここに置いといて、魔王を倒したら回収に来るか」
〝重さは大したことない?〟
〝倒れたときの音からして絶対に重いんですが〟
〝ミニバンくらいある金属の塊が軽いわけないだろ!〟
〝そんなひょいっと持ち上げられると脳がバグる〟
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