青森から来た男、最難関ダンジョンで美少女配信者を助けてバズる ～東京の人ってドラゴン倒したことないの？ 龍飛崎に普通にいるけど？～

第18話 拓斗さんオープンスケベ宣言

「あの……タクトさん……」

〝アミーリアたんだ〟

〝物陰から顔を半分だけ出してる。かわいい〟

〝早くセーラー服を見せてー〟

「どうして隠れてるんですか？」

「だって……やっぱりこのスカート短すぎて恥ずかしいですし……『俺はオープンにスケベ！』とか大声で叫んでる人の前に、この姿で出ることに身の危険を感じてしまって……」

〝正論〟

〝実際さっきの拓斗さんはかなりどうかと思うｗ〟

「いや、その……あれは子供たちに煽られてつい言ってしまっただけで、決して声高にスケベと主張したいわけではなく……いや、もちろん性欲が皆無というわけではなく、あくまで人並みのスケベさであって……」

「人並みのスケベさ、とは」

〝人並みの十代男子はスケベ値カンストしてるよな〟

〝分かる。あの頃は毎日二回はシコってたわ〟

〝断言するけど拓斗さん絶対にアミーリアたんでシコってるよ〟

〝あの頃の元気が欲しい〟

〝俺もうすぐ五十歳だけど毎日シコってる〟

〝ジジイ元気だな！〟

「なんと説明すべきか……えっと、説明しなきゃ駄目……？」

「そりゃ、あんな大きな声で言われたら気になりますよ。今後、タクトさんとどう向き合っていくかにも影響するでしょうし」

〝ジト目かわゆい〟

〝声のトーンが低いｗ〟

〝真剣に引いてるやんけ〟

「ぶっちゃけ、私にスケベを感じたことありますか？」

「ない！　アミーリアさんをそんな風に見たことないよ！」

「はあ……つまり私には女としての魅力がないと」

「違う！　ごめん、ぶっちゃけアミーリアさんは美人だしスタイルがいいからスケベな体だと思ってます！」

〝ぶっちゃけさせられた！〟

〝正直でよろしい〟

〝けど、さすがに好感度下がるんじゃね？〟

「ふーん、そうですか。私の体に魅力を感じていると……ふーん。まあタクトさんも年頃の少年ですからね。仕方ないです。少々スケベでも許してあげましょう……ふふ」

〝嬉しそうｗ〟

〝スケベな目で見られて喜ぶとかスケベじゃん〟

「ではでは。正直に言えたタクトさんに、特別に見せてあげましょう。えいっ」

〝おお、セーラー戦士アミーリアたん〟

〝セーラーアミーリア！〟

〝エッッッッッ！〟

〝いや普通にドンキホーテで売ってそうなコスプレ用セーラー服だけどなｗ〟

〝それがいいんだよ！！！〟

「ど、どうでしょうか……？」

「…………」

「タクトさん？」

「あ。すみません。意識飛んでました。あんまりにも可愛かったので」

「そ、そんなにですか！　褒めてもらえると嬉しいです……けど、そこまで凝視されるとやっぱり恥ずかしいです……」

「それですよ。そのスカートを押さえてモジモジする仕草がいいですね。履き慣れていないミニスカートに戸惑ってる感じがグッときます」

「あわわ……そんなの口に出さないでください！」

「アミーリアさんの脚を初めて見ましたけど美脚ですね。凄く綺麗です。自信持ってください。隠す必要なんてないですよ！」

「口に出さないでくださいって言ったでしょうがぁぁぁぁァァァァァＡＡＡＡ亞亞亜亜唖唖啊啊ッッッ!!」

〝音波攻撃!?〟

〝音割れすげぇ〟

〝ヘッドホン壊れたかと思った〟

〝タクトさん倒れたんだがｗ〟

〝アミーリアたん、ぷんすか怒ってどっか行っちゃった〟

「両耳がキンキンする……なにもあそこまで叫ばなくてもいいじゃないか……」

〝叫ばなきゃ拓斗さん止まりそうもなかったけど〟

〝俺らと同等のキモさだったぞ〟

〝本人に面と向かって言うとキモさが際立つ〟

「……だって、むっつりスケベって言われたから……オープンにしたほうがいいかなと思って」

〝オープンにしすぎだろ〟

〝限度を知れ〟

〝スカートを押さえてモジモジするのがいいとか口に出すのはキモいわ〟

〝言ってることは分かるけどなｗ〟

〝俺らが分かるってことは相当キモいってことだぞ〟

〝でも性癖が一致するのは親近感ある〟

〝それな〟

〝十代でそれならオッサンになったら相当のキモさを発揮するぞ〟

「は!?　普通に褒めただけだし！」

〝ガチで言ってる？〟

〝中学と高校で女子に振られた理由が分かってきましたね……〟

〝メッチャ強い上に顔も悪くないのにモテなすぎて童貞拗らせてるには理由があると思ってたけど、これかぁ〟

〝全てを補って余りあるキモさを内包していたか〟

「キモくねーし！　こ、こんなん青森県では普通だし！」

「拓斗ぉ。青森県を愚弄しないで～～、あなたがキモいだけよ～～」

〝画面の外からおばあちゃんの声がｗ〟

〝もっと言ってやってください〟

「ばあちゃん！　そういう冗談はやめてくれよ！」

「……冗談ではないのですが？　かなり真剣にキモかったのですが？」

〝アミーリアたん、また物陰から半分だけ出てるｗ〟

〝顔も声もガチｗ〟

「……ぐはっ」

〝拓斗さんが血を吐いて倒れたｗ〟

〝ついにアミーリアたんが拓斗さんに勝った！〟

〝おめでとう、塔の魔女〟

〝おめでとう〟

〝おめでとう〟

〝おめでとう〟〝おめでとう〟〝おめでとう〟

〝新世紀アオモゲリオン完〟