ロリ巨乳の幼馴染み彼女がイケメンコスプレイヤーに寝取られたと思ったら、実はそのイケメンコスプレイヤーが幼馴染み彼女の友達で、しかも男装した女性コスプレイヤーだった話

ぞいや@4作品(■🦊🍓🌏挿絵あり)執筆中

1話:告白 ~犬も食わないのろけ話~

「あー子、俺と付き合わね?」


 その日、一ノ瀬いちのせ生馬いくまは人生で初めての告白をした。


 高校からの帰り道。

 茜差す川沿いの堤防を歩きながら。

 いつもの様に「幼馴染みの少女」と歩いていた彼は、他愛もない会話の中で唐突に爆弾を放り投げたのだ。


 結果は――


「うん、いいよー。っていうか、私達もう付き合ってるかと思ってた」


 実に軽い返事。

 爆弾処理班に在籍した経歴も無いのに、告白を受けた相生あいおい亜子あこは軽々と爆弾を処理し、はにかみながらも生馬いくまの手を握る。


 人生初の、そして生涯最後の彼氏の手を。


 ただ、初めてではない。

 二人が手を握るのは、もう数え切れないほど繰り返した日常行為。

 家が隣だからか、物心ついた時から二人はいつも一緒に居た。 

 小学生の時はそれをクラスメイトにからかわれ、恥ずかしがった生馬いくまが物理的に距離を開ける時もあったけれど……。


 それでも、二人の距離が本当の意味で離れたことは一度たりとも無かった。


「いっ君はさ、私の何処が好きなの?」


「ん~、全部。逆にあー子は? 俺の何処が好きなの?」


「ん~、全部?」


 俗にいう、バカップルの誕生。

 本日、二人は晴れて付き合うことになったが、かと言って二人の間柄が急激に変わる訳でもない。

 告白直後だと言うのに、二人の会話は日常会話のままだ。


「ねぇねぇいっ君」


「ん?」


「いっ君はさ、私の身長もっと伸びると思う? ここ1年くらい全然伸びなくて……」


「あー子、胸ばっか成長してるもんな」


「そうそう。身長は伸びないのに胸はすくすくと……って、ちょっといっ君、それセクハラだよ?」


「別にいいだろ、俺達は恋人同士だぞ」


「恋人……えへへ、それもそうだね!!」


 犬も食わないのろけ話。

 散歩で通りかかった犬の「こいつ等、頭は大丈夫か?」みたいな視線にも気づかず、二人は手を繋ぎながら家路へと着く。


 ――この時、一ノ瀬いちのせ生馬いくまは想像もしていなかった。

 週末、見知らぬ男とラブホテルに入る、相生あいおい亜子あこの姿を目撃する事になるとは……。

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