エピローグ

「ゾンビが」

「俺はだからゾンビじゃないって。あの時からゾンビって言われることが多くなったような」


 俺は鳥兜十字団との抗争を沈めるために3回も戦いに参加している。その中でゾンビと呼ばれるようになっていた。今のは今回最後の魔術師を殴り倒した時に聞いた言葉だった。


「友助。お茶しましょ」

「友くん。お疲れ様」

「お兄ちゃん。戦いは辛くない?もう陸さんに任せてもいいんだよ」


 コーデリア、千尋、瑠璃が終わった後で迎えてくれた。鎮圧はいつも学校の後に手伝っている。それ以外の時はノワールやクロウ達が鎮圧を行っている。


「なあ、みんな。俺ってゾンビに見えるか?」

「傷だらけなのに戦い続けるさまはまさにゾンビなんじゃないか」


 陸が会話の中に入ってきた。彼は異能はないが、駒骨に呪術を習った後ちょくちょく戦いに参加している。


「陸、俺が学校に行ってない間に強くなったな」

「ああ、駒ちゃんのおかげだよ。これで俺もお前を守れるが、その傷を何とかしてくれ」

「ああ、これならコーデリアに直してもらうから大丈夫さ」

「その傷で楽々しゃべれるのは忍耐強くなりすぎだろ」


 俺は全身傷だらけだった。つけられた傷にも構わず立ち向かっていく様は敵にとって恐怖を与えるらしい。


「ヒール。はいこれで治療完了」


 俺はコーデリアに回復の魔法をかけられ傷がすべて治った。彼女の魔力はあった時よりも高く、切れる気配がない。


「ありがとう。コーデリア」

「友くん。お疲れ様。後でキスしない?」

「ああ。二人でやろう。ここでもいいよ」

「じゃあ、ここで。恥ずかしいけど」


 俺は千尋とキスをする。下を絡ませてやるフレンチキスだった。千尋はもともと性的虐待を受けていたが、俺に対しては積極的にこういうことをしてくれる。俺も恥ずかしいが、恋人なのでキスぐらいは普通にしていた。


「千尋さんずるい。私にもしてよお兄ちゃん」

「傷を治したのは私よ。私にもしてくれるね友助」

「分かった分かった。二人にもするよ」


 この後、コーデリアや瑠璃ともキスをした。上手さは千尋の方が上手かったが、2人とも下を絡ませてキスをした。


「にしても、女が3人も恋人にいるのなんてすごいよな」

「あはは、陸は駒骨一筋だからな。でも俺は3人とも大好きだから全員離さないつもりだけど」

「学校をもう1か月休むって聞いた時は大変だったんだぜ。お前が行方不明になるし、みんなで探し回ったんだ。コーデリアさんから時間を移動したって聞いた時はまたかって思っちまったよ」

「仕方ないだろ。まさか時間を飛ばされるなんて思いもしなかったんだから」

「まあ、それでも学校生活も完全に復活したし、お互い頑張ろうぜ友助。高校も同じ高校はいれるようによ」

「そうだな」


 こうして、俺等は平和な日常を取り戻していく。その先に試練が待ち受けていてもきっと乗り越えて行けるだろう。屑と呼ばれ続けた俺だが、今はゾンビと呼ばれることが多くなった気がする。だが、それは敵だけで、味方はちゃんと友助と呼んでくれている。俺は味方と共に人生を歩んでいきたいと思ったのだった。

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屑と呼ばれ続けた俺がゾンビと呼ばれるようになるまで 禿鷹吟 @akumanoko9777

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