第22話 その頃かつての親友は

「友助。うまくやってるかな」

「見たところあの調子だと大丈夫だと思うわよ。見たところだけどね」


 葛葉友助の親友の俺、千堂陸は偶然出会って彼女になった少女盲月駒骨とカフェでデートをしていた。


「異能機関に入ると戦場に駆り出されることもあるらしいけど多分大丈夫だと思うし」

「今なんて言った駒ちゃん」

「戦場に駆り出されることなんてないと思うわよ」

「マジかよ。それは友助行かされちまうかもしれねえじゃねえか」

「彼、そんなに強い人間なの?」

「強いよ。才能なしから努力だけでバスケでエースになって県大会優勝までは行けたかもしれないほどタフなメンタルしてるんだから」

「そこまで精神力が強いの。じゃあちょっくら今度様子をのぞき見してくるわ。陸、その親友はやっぱり一番大切な親友なんだよね」

「そうだよ。友助は俺の親友だ」

「分かったわ。念のため聞くけど戦いに駆り出されていた場合、今の生活ができなくなるとしても親友を助けたい?」

「当たり前だ。俺はあいつの親友だからな」

「私にはあなたの気持ちは分からない。そんなに助けたいと思う友達ができたことがないから」

「俺は違うのか」

「陸は恋人だから別」


 抹茶ラテを飲み干した駒骨が言う。陸はコーヒーを一口飲んだ。


「ほんとここまでしてくれてありがとうよ駒ちゃん。愛してる」

「私もよ陸。愛してる」


 甘い二人の時間が過ぎていく。盲月駒骨は呪禁師である。彼女の異能機関への介入は確実に目を付けられる。それでも俺、千堂陸は踏みとどまらない。全ては攫われた親友のために

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