第1章 暴走少女 45
黒入が進み始めて違和感に気づく。ここは住宅街の裏道だ。
密集こそしていないが、人の気配がしない。時刻は、二十二時を少し回った。現場に到着して、一時間ほど経過している。
各家庭の生活リズムにもよるが、この時間帯で就寝するのは些か早くないか?しかも、周囲全部だ。耳を澄ましても、生活音すら聞こえない。まるで、ゴーストタウンのようだ。
あきらかにおかしい。
この異常さに黒入は一つの仮定を出す。このドーム状の結界は呪力によるもの。
そもそも魔力や呪力は、術式を発動させないと本来の効果が発生せず意味はない。
しかし、耐性を持たない一般人からすれば、魔力と呪力そのものが害悪な存在である。
少量なら問題ないが、それでも浴び続ければ体調を崩したり、持病が悪化したりなどまさに呪いのような効果を発揮する。プラス、このドーム状の結界に呪術が加えられたとすれば・・・。
「無差別テロと同じだな。」
湊市における、夏バテや入院患者の増加の原因は恐らくこのドーム状の結界がもたらす副作用だった。
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