第1章 暴走少女 43

 黒入は術式展開により魔力と呪力に対し、かなり高い抵抗力を持っている。一方カナリアは、術式展開しなくとも両方の抵抗力を持っている。しかし、自分より上回る魔力と呪力に対しては自分との差をモロに受けることになるのだ。


 すなわち、このドーム内の呪力はカナリアにとってということになる。ただし、カナリアが術式展開をする場合はではない。


「とりあえず、犯人を捜さなければなりません。ここは広いですから、一度二手に別れましょう」

「了解しました。でしたら、これを」


 黒入はカナリアにポケットから出した無線機を手渡す。イヤホン型で、音声通話ができるタイプだ。


「私、機械には疎くて・・・。使いこなせるかしら」

「操作は簡単です。呼び出したい時には、無線機のボタンを二回押してください。通話開始は、一回押せば繋がりますので」

「・・・そうですか。やってみますわ」


 やや不安そう顔で、カナリアは無線機を耳に装着する。

 シスターカナリア。

 そういうところは、シスターっぽくて好きです。

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