第1章 暴走少女 25

           ~~以下回想~~

 とある事件を追って、フランスのパリを訪れていた時に少女と出会った。その少女は信仰深く、有名な大聖堂で毎日ミサに参加するほどだった。


 その少女は歳にして八歳ほどで、彼女の両親は幼いころにしてしまったのだと。しかし、お祖母ちゃんと二人で細々とだが幸せに暮らしていた。セミロングヘアーでダークブラウンの髪の毛を流星のごとくなびかせ、天真爛漫の笑顔を振りまきながら広場で駆けっこした思い出が蘇る。


 仕事そっちのけで、彼女と遊んでいたのだった。

 もちろん、ただ遊んでいるわけではない。


 彼女からは、微量ながら『呪力』が漏れ出していた。当時、本人に自覚は無いし、恐らく存在にも気が付かなかったと思う。


 このパターンは非常にやっかいだ。自身のポテンシャルがどのくらい秘めているかが分からないため、事故の確率がグンっと上がる。


 要は、だ。


 制御方法が分からないため、暴走する。暴走すればどうなるのか。

 ヘタをすれば、町一つ消え去る。超ヘタをすれば、国が一つ消え去る可能性もある。

 これは、魔術と呪力を問わない。

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