第1章 暴走少女 4
見た目とは裏腹に気持ちよく寝ている目の前に男に、再度声をかける。
「いい加減起きて下さい!もう朝ですよ!!」
割かし大きめの声で、起こすように、少し呆れたように。
「・・・んぁ」
何と間抜けな声なのか。ようやくお目覚めのようだった。
気だるそうにモソモソと、オフィスチェアーから動き始めた。漆黒色の髪の毛はボサボサで、両目は半開き。これまた黒いスーツに白のカッターシャツのまま眠りこけていたようだ。おかげで、スーツはあっちこっちに方向がズレてシワになっている。
「おはようございます。カナリアさん」
「おはようございます。寝坊助さん」
ふぁぁ、と控えめな欠伸を挟む。
「黒入さん、貴方の髪型と服装がめちゃくちゃですよ」
「あぁ、この格好のまま眠っちゃってて。お恥ずかしいところを」
後頭部をポリポリと搔きながら、カナリアをあしらう。
多分、全然恥ずかしがっていない。
まったく・・・、と肩を竦める。
「それで今日はなにか用ですか?」
黒入は姿勢を正しカナリアに向かい直す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます