REC:2023/07/18_1

放った小さなガラスの破片は

水面に浅く突き刺さり

微かな波紋を立てた


ただそれだけの事に

感情を揺さぶられ

疑い、妬み、苦しみ、苛まれ

たったそれだけの事に

時として安堵する


ガラスの破片は幾つも投げ入れられ

その度に波紋を描き

底に沈んでいく

ただそれだけの事なのに

いつまでも受け入れられないのは

私の弱さなのだろうか


いつかこの湖面を

見下ろすことは出来るだろうか

月明かりのもとでみる湖底は

さぞかしキラキラと輝いて

美しいのだろうな


そのいつかを夢見ながら

湖の岸に座り込んだ


そのいつかを夢見るあまり

湖の岸に座り込んだまま

動けずにいる

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