第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部

永嶋良一

羽根広げ 梅雨晴れに蝶 ペアダンス

 近くの公園と歩道の境に金網フェンスがあって、生い茂った公園の草木がフェンスの隙間から歩道にはみ出しています。


 夏至も近づいた梅雨つゆれのある日、その歩道を歩いていたら、一匹のアゲハ蝶がどこからか飛んできて、フェンスから歩道にはみ出した草の先端にとまったのです。


 そして、アゲハ蝶は羽根を一度閉じてから、次にゆっくりと180度に開くという動作を繰り返し始めました。何をする気なんだろうと、僕は歩道に立ちどまって、その不思議な動作をずっと見つめていたのです。


 すると、アゲハ蝶がもう一匹飛んできて、二匹の蝶が絡み合いながら、ひらひらと空を飛び始めました。僕は呆然とそれを見上げていたのですが・・・二匹の蝶が絡み合って舞いながら、青空に高く高く、樹々の先端まで飛翔したときに、ようやく、先ほどの羽根を思い切り広げる動作がオスの求愛行動だったことに気づきました。


 そんなこともすぐに気づかないなんて、なんとも奥手の自分に思わず苦笑いです。


 近況ノートに羽根を広げたアゲハ蝶の写真があります。

 https://kakuyomu.jp/users/azuki-takuan/news/16817330659301907335

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