支えたい/こぶしを固め/空かざし/ただ守りたい/君達の笑顔
支えたい
こぶしを固め
空 かざし
ただ守りたい
君
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ピアノの調べが大人の空気感を演出する。レコードのノイズが心地良い。でも決して厳かではなくて。ゆるやかな空気感が心を開放的にしてくれる。そんななか、会は開催となる。
テーブルには簡単に摘めるフライドポテト、ピザといった軽食が並んでいた。参加者、思い思い、手をのばす。それは僕も一緒で。
「では、第一回【アップダウンサポーターズ】のミーティングを開催したいと思います。
***
上川の「上」と
下河の「下」で
【
***
「今日は、しっかりと上にゃんとゆっきの最近の状況をシェア、全力で応援したいと思います! ハイテンションに行くよー! それが私達――」
「「「アップダウンサポーターズ!!」」」
ノリが良すぎる。参加している多様な面々を見て、なお思いながら。
「じゃ、まずはサポーターズ顧問の弥生先生、お願いします!」
「はい、ありがとうね。黄島さん」
と弥生先生が穏やかに微笑んで、立ち上がる。
「下河さんと交流して欲しいと、上川君にお願いをしたこと、本当に良かったと思っています。最初、心配になって尾行したんですが」
「この教師、ひでぇ」
思わず呟くと、弥生先生は笑顔でオダマリと睨まれた。
「上川君は、最初から下河さんの信頼を得ることができた人なんだと思っています。動転した彼女をすぐに支えてくれてたし。上川君は本当に優しい子ですから。下河さんが学校に来られなくなった理由は、皆さんが把握している通りです。歯痒い想いも、後悔も皆さん、していると思います。でも後ろ向きじゃ、何も変わらないので。上川君のように、下河さんの心まで私達は救えないかもしれない。でも私達、サポートはできるんじゃないかしら。皆さんとなら、それができるんじゃないかってそう思うんです。だって私たちは――」
「「「アップダウンサポーターズ!!」」」
「はい、ありがとうございます。私からは以上です」
いや、弥生先生。それ絶対、ただ言いたかっただけだろ? そして一緒に言ってしまった自分にもツッコミをいれたい。
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