ifストーリー 冬、幼馴染みとこたつ
縁側に出ると吐く息が白く凍る。
手足が冷たさに刺される感覚。
外には雪が積もって一面雪景色だ。
騒いで走って行く子供の声。
玄関の雪を溶かしているご老人。
もうすぐ12月。
こたつやファンヒーター、あとは幼馴染みの作った暖かいスープとかあれば文句はない。
こたつの置いてある部屋を覗くとそのこたつでくつろいでいる俺の
最近はいつもこんな感じだ。
大体起きている理由も察しがつく。
こたつに入ったら迷わず俺に抱きついてくる。
「俺は人間湯たんぽなのか…」
「そう!」
ニマニマしながらこっちを見てくる。
うん、文句なしの可愛さ100点満点星3つ。
あの日、二人で手を繋いで帰った夏祭りのあった夕方の畔道での出来事。
黒い手に捕まった踏切。
黒い塊、そう表現するしか出来ない何か。
今になってはそんな
抱きついてきたお返しにキスしたら相変わらず攻めの耐性は無いようで赤面しながら手で顔を隠しつつ隙間からチラチラ見てくる。
「可愛いかよ」
「やめて嬉しすぎで死ねる!」
「死ぬな、そなたは美しい」
「おじさんとおばさんは?」
「今日は2人とも出かけてる
若さの至りでハッスルしすぎるなよ、て。」
「おじさん達らしいや」
「行く場所ないだろ」とツッコむと
「ハハっそれはそう」と返してくる。
…気恥ずかしい。
きっとお互い心境と顔色は同じなんだろう。
顔が熱い。
秋は反対側を向いて誤魔化している。
こたつに入ってる分、眠気が襲ってくる。
きっと次起きた時には忘れてイチャつくんだろうなと我ながら想像できる。
そんな冬のある日。
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