今日もほっこり、ポチ日和!

藤なごみ

ポチの一話 ポチの朝だよ

 日本のとある田舎に似た所には、人間だけでなく沢山の種族が暮らしています。

 といっても、魔法もないし争いもなく、人々はとても平和に暮らしています。

 このお話は、そんな所に暮らす豆柴獣人の女の子を中心としたほんわかストーリーです。


 ジリジリジリ。

 ジリジリジリ。


「うが? もう朝か。むにゃむにゃ」


 目覚まし時計がジリジリとなったので、眠たい目をこすりながら目覚まし時計を止めます。


 シャーッ。


「うーん、今日も良い天気だね」


 カーテンを勢い良く開けて、窓から外を眺めます。

 気持ちよく晴れていて、とっても良い気分です。

 みんな、ポチはポチだよ。

 豆柴犬っ子の女の子で、元気いっぱいの小学校四年生!

 ショートヘアに大きなお耳がチャームポイントだよ。

 ポチは焦げ茶の髪で、目も茶色なんだ。

 ちょっと背が小さいけど、全然気にしないよ。


「よっと、今日はどのお洋服にしようかな?」


 カラーボックスの引き出しをゴソゴソと開けて、今日のお洋服を決めます。

 うーんと、今日はプリントが印刷された白いTシャツに緑のキュロットスカートにしよう!


「よし、これで完成!」


 服もバッチリと決まったので、お気に入りの赤いランドセルと一緒に一階に降りて行きます。


 とたとたとた。


「りっちゃん、おはよー!」

「ポチ、おはよう」


 階段を降りて台所に降りると、りっちゃんが挨拶してくれます。

 りっちゃんは高校一年生で、人間なんだよ。

 黒のロングヘアがとってもキュートで、とっても優しいんだよ。

 りっちゃんはポチのお姉ちゃんみたいだけど、本当は従姉妹なんだ。

 実はポチのお父さんとお母さんはお仕事が忙しいから、殆ど会えないんだよ。

 だから、お母さんのお姉さんのお家に住んでいるんだよ。

 因みに、お母さんはキャリアウーマンじゃなくてキャリアウーワンなんだ!

 とっても美人でカッコイイんだ!


「ポチ、何パンが良い?」

「うんとね、今日はカレーパンにする!」

「はいはい。ちょっと待っていてね」

「はーい」


 りっちゃんはポチに何パンが良いかを聞くと、食堂の奥にあるドアから別の所に向かいます。

 実は、ポチの住んでいるお家はパン屋さんなんだよ。

 その名も、ベーカリーわんわん!

 おじちゃんとおばちゃんが、とっても美味しいパンを作っているんだよ。

 街の人にも大好評で、朝から多くのお客さんがお店に来るんだよ。

 そして、朝ごはんはいつも出来たてのパンなんだ。


 とたとた。

 

「ポチちゃん、おはよう」

「おばちゃん、おはよー!」


 りっちゃんが戻ってくると、一緒におばちゃんもやってきたんだ。

 お母さんとおばちゃんは姉妹なのに、おばちゃんは人間なんだよ。

 りっちゃんと同じ黒髪なんだけど、おばちゃんはショートヘアなんだ。

 それにおばちゃんも、背が高くてスタイルが良いんだよ!

 姉妹で種族が違うなんて、とっても不思議だよね。


「今日は体育があるんだよね? 体操着を洗っておいたわよ」

「ありがとー!」


 りっちゃんが出来たてのパンをお皿に乗せてくれている間に、おばちゃんから体操着を受け取ります。

 ポチは体を動かすのが大好きだから、体育は得意なんだよ。

 他の勉強も、一生懸命にやっているんだよ。


「じゃあ二人とも、遅れないように学校に行ってね」

「はーい」

「はいはい、お母さんも気をつけてね」


 お店に戻るおばちゃんをりっちゃんと一緒に見送ってから、ポチはパンを食べるんだ。

 うーん、今日のパンもとても美味しいなあ。


「ポチは本当に美味しそうにパンを食べるね」

「だって、本当に美味しいんだもん。給食のパンよりもずっと美味しいよ」

「そりゃ本職のパン屋が作るパンだから、給食のパンよりも美味しいはずだよ」


 りっちゃんがちょっと苦笑しているけど、給食のパンもおっちゃんのパンだったら良いのになあ。

 りっちゃんはパンを食べ終えると、ちょっと気合を入れて立ち上がりました。


「さてと。登校までレジ打ちやってくるから、ポチも遅れないように家を出るんだよ」

「はーい、りっちゃんも頑張ってね」


 りっちゃんは登校前と帰ってきてから、パン屋さんのお手伝いをしているんだよ。

 制服にエプロンを着て、三角巾を頭に付けてりっちゃんはお店に行きました。

 ポチも学校に行く支度をしないと。

 歯磨きをして、髪を梳かして準備万端です。

 給食セットも持ったし、体操着もバッチリ。

 リュックも背負って通学帽子も被って準備万端です。

 家を出て、お店に顔を出します。

 おお、お客さんがいっぱいいるよ。

 この時間は、りっちゃんと同じ高校の学生がいっぱいやってくるんだよ。

 りっちゃんはレジ打ちで忙しいから、おばちゃんに声をかけておこう。


「おばちゃん、行ってきます!」

「はい、気をつけてね」


 おばちゃんに挨拶もしたし、ポチは学校へ出発です。

 今日は何か面白い事があるかなあ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る