ギャルみのある海の神様が、溺れた俺を優しく抱きしめて癒やしてくれるだけのASMR(コンテスト書き下ろし作品)

Episode:1 波打ち際を歩いてきた君(波の音)



//穏やかな波の音

//砂浜を歩く音(近づき)


「えっ、やばーい、浜辺に人が倒れてる! まじでウケんだけど!」


「つかここ神域だっつーのに、なんで人が入ってこれてんの? ガバすぎじゃね」


「あたしの神通力、いつの間にか弱くなってた的な?」


「まっ、なんでもいっか。とりま生存確認~。お兄さーん、生きてる?」


「つんつん。つんつん。……おっ、指が動いた。ギリ生きてるっぽい」


「まぁこのまま放っておいたら確実に死にそうだけど」


「お兄さん、生きたい?」//真面目なトーンで


「……うん、オッケー。反応はないけど生きたいっつーことであたしが解釈した」


「つか何より、あたしのテリトリーで死なれるの、めちゃくちゃいやな感じがするし!」//笑いながら


「さてと。じゃあさっそく溺れた人間への大定番、人工呼吸を行いましょう」


「んじゃいっくよー……すぅ……」//顔を近づける感じで


「………」//主人公の心臓の音


「……なんちゃって!」


「金髪和服美少女からの人工呼吸、期待しちゃった?」


「でも残念でしたー、あたしはこれでも神様なので、人工呼吸なんてしなくても人間ひとりくらい助けられるんだよね。わら」


「んでお兄さん、身体の調子はどう?」


「一応、身体に不具合起こしてそうなところは取り除いてみたけど」


「……『上手く動かせる』?」


「おお、もうしゃべれるところまで快復したんだ! さすがあたし!」


「人間の身体をいじるのなんて久々だったけど、やればできるもんだねえ」


「あ、でもあんた、一応無理しちゃだめだかんね」


「神通力を通して、身体に高負荷がかかったのは間違いないんだから」


「人間の身体ってあたしたちと違ってほんと脆いの」


「まぁ歩くぶんには問題ないから、落ち着いたら立ち上がってついてきてちょうだい」//主人公が自分の服の砂を払い落す音


「さぁ行くわよ、あたしの家まで」


「なんでって? だってあんたこれから次の満月まで行く先あんの?」


「あらまぁ、子犬みたいにキョトンとしちゃって」


「やっぱりあんた、ここがどこかすらも分かってないんじゃない」


「大丈夫、それもあたしがちゃんと説明するから」


「久々に『ニライカナイ』へ来てくれたお客さんなんだもの……あたしが全力でもてなしてあげる!」


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