しんみりよりどんより


 なんて、しんみりしてる場合じゃないんだよね。視界の端に、つるされた猪と兎が見えます。

 というわけで、何やらえーっと、肉の処理をしなくちゃならないみたいです。

 明日でもいいですかね?

 ……って、だめだよねぇ。処理しちゃった方がいいよね……。

 猪と兎。私とキリカちゃんとカーツ君の3人……。私はほぼ戦力にならないでしょ。

 今からじゃ、日が沈むまでに間に合うか微妙。一晩つるしとくの危険かなぁ?

 あれ?でも、もしかしてハンノマ印の包丁があれば、あっという間に終わるかな?

 そうだよ!ハンノマさんの包丁、切りたいところを思い描いてちょっと包丁突き刺すだけですぱーんだもん。

 ……って、皮を剥ぐのって、スパーンじゃ無理かな?

 うーん。

 っていうかそもそも、私、まだ無理じゃないかな。オエーってしちゃいそうだよ。

 ハンノマさんの包丁使えるの私だけだし……。

 ああ、もう!体力はないし、根性もないとか!鍛えることいっぱいありすぎるよね。

「ユーリお姉ちゃん、何を考えてるの?夕飯のこと?」

 ちょっと落ち込んでいると、キリカちゃんの小さなお手々が私の手に触れた。

 あ、そうか。夕飯の準備もしなくちゃね。

 うん。ちょっとずつ。頑張ろう。落ち込んでも仕方がない、今できることをきちんとして。武器のことは相談してみよう。

「夕飯、何を作ろうか?」

 久しぶりの小屋での夕飯。

「そうだ!俺、鳥小屋行ってこようか?」

 卵!

 そう、鶏小屋があったんだ!鶏……じゃないけど、鶏がいたんだ!

 何日留守にしてたっけ。

 卵産んでるよね?いっぱい卵あるんじゃない?

 卵がたっぷりとなると……。

 何を作ろうか。

 3人分の料理。

 きょろきょろとすると、キッチンの端に大きなツボがドーンと置いてあるのが見えた。

 蓋を開けると、甘い蜂蜜の香りがふわり。

「わー、はちみつだ。こんなにたくさんすごいのよ!」

 キリカちゃんの言葉に思い出す。

 そう。兵がお礼にってくれたんだった!

 蜂蜜、蜂蜜!

「カーツ君、卵取ってきて!」

 パンケーキを作ろう。またの名をホットケーキ。

 小麦粉もある。砂糖もある。

 蜂蜜もある。そ、れ、か、ら、ふっふっふぅー!

 じゃじゃーんと、泡だて器を取り出す。

 泡だて器もありまぁす!

 バンさんに作ってもらった泡だて器です!

 泡立て鬼じゃなくて、泡立て器です!武器じゃなくて調理道具です!

 ベーキングパウダーを使うものじゃなくて、卵を泡立てて作るパンぺーきを作るんです。

「キリカは何をすればいいの?」

 えーっと、あ、そうだ。

「じゃぁ、カーツ君が戻ってきたら、リリアンヌ様が取ってきた兎をさばいてくれるかな?」

「わかったのよ!キリカ頑張るのよ!」

 兎ならサイズが小さいし、それほど時間もかからないよね。

 2匹あるから、カーツ君とキリカちゃんと一羽ずつ。

 ホットケーキと、何を作ろう?兎で……兎のパイとか……あぁレシピは分からない。

 そもそも兎の肉ってどんな味?羽って数えるから鶏肉に近い?

 うーんと、とりあえず肉を見てから決めよう。脂身が多い?少ない?

 今日のメインはホットケーキだから……あれ?ホットケーキと肉料理って合う?

 う、うん。夕飯、ホットケーキだけでいいかな?

 お肉は一晩醤油とみりんとお酒に浸しておこうかな。

 野菜も欲しいところだけど、ホットケーキはやっぱりホットケーキで食べたい。

 いわゆるお食事パンケーキとか、甘味控えめにして野菜と肉をはさんで食べることもできるけど……。

 今日は、今日だけは蜂蜜たっぷりのあまぁいホットケーキで食べたい。だって、蜂蜜だよ?

 蜂蜜がたっぷりあるんだよ?

 野菜と肉……栄養バランスは、ごめんなさい!します。その代り明日はしっかりお肉も野菜も食べる。ん。そうしましょう。




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ふへへ、かいてはある。更新作業してないだけなのだ。

(*´ω`*)……予約いくつかいれておく、いまからやる、がんばる……

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