スプーンで

「そこの兵!ウニを投げなさい!」

 言われて兵がウニを投げると、リリアンヌ様がレイピアで真っ二つにした。そして、真っ二つになったウニは落下していく。

 落ちる、落ちる!

「私のウニが!」

 シャーグまで自分の宣言した。

 そして、落下してくるウニに手を伸ばし、見事に受け止めた。

「あ……」

 受け止めちゃった。

 ぷすっ。

 と、音が聞こえたような気がした。

 ウニの針、刺さったよね……。

「ユーリ殿、これをどのように食べるのだ?」

 両手にウニを持って、シャーグが私の前に来た。

 ……刺さってないのかな?痛くないのかな?

「えーっと、スプーンでこの身の部分をすくって……」

 カーツ君がさっと出してくれたスプーンを使って、ウニの可食部をすくいとる。

 黄色くてつやつやした部分。これぞウニという部分。

 シャーグの手の上で作業するけど……。

 痛くない?大丈夫?

 心配になってシャーグの顔を見ると、涙目になっている気がする。

 やっぱりウニのとげ刺さってますよね?!

「あの、食べられるのはこの部分で……えーっと、今取ってきたばかりであればこのまま食べることも……」

 言い終わらないうちに、シャーグがぱくりと私が手に持っていたスプーンにかぶりついた。

「甘くてなんという――」

 かっと目を見開いたシャーグが凍りついた。物理的に。

「ユーリさんに食べさせてもらおうなど……」

 背中から冷気が。

 ブライス君も自分のウニだと思ったのかな。食べられたら怒るよね。酔っぱらっているからかいつもより怒りの沸点が低い?

 あーと思っていたら、いつの間にかテーブルにウニが並べられ、リリアンヌ様が真っ二つにして回り、スプーンを手にしたカーツ君キリカちゃんが座っていた。

「「「いただきまーす」」」

 あ!

 できれば、取り出して塩水で洗ってから……!

「ふわぁー。お口の中でとろけるのよ!しゅごいのよ!」

「磯の香りが口中に広がりますわぁ。なんというおいし……パタッ」

「甘い。お菓子とは違うすっきりした甘みがある!うんめぇ!」

 うん。美味しいですよね。だって、とれたてウニです。

 スーパーとかで流通しているものは、鮮度を保つためでしたっけ?ちょっと加工してあって苦味があるんですよ。

 でもとれたて新鮮ウニは苦味もなく全然別ものの味だって。

 憧れの高級ウニ!

 あ、ちゃんと私とブライス君の分も並べてリリアンヌ様が切ってくれてる。

 私のウニ。

 ……ブライス君、離して欲しいのですが……。

 突然いなくなった不安がそんなに強くトラウマになっちゃったのかな。

「ブライス君のウニもあるから、一緒に食べましょう」

 美味しい物を食べれば少しは気持ちが落ち着くよね。……あ、酔ってるときにウニって大丈夫なのかな?

「ユーリさんと一緒」

 お。手が緩んだ。体を反転させて、ブライス君の正面を向き、手を握る。

「ブライス君も料理するの手伝ってね?」

「はい。ユーリさん。手伝わない人は食べられないですから」

 綺麗な顔でブライス君が笑った。

 テーブルに器を用意してもらうと、ブライス君が魔法で水を出してくれた。

 魔法便利!

 塩を入れて塩水を作る。

 そこに、ウニの身を取り出してぽちゃぽちゃ入れていく。

 軽く洗って、洗ったものを皿にのせた。

 さぁ、いただきます。

 スプーンですくいあげるとブライス君がこちらを見ている。

 ん?



==============

……みんな、シャーグのそういうとこ好きだよね?……と、信じてるわ!


そして、ブライス君は甘えん坊ですねwでも、ユーリさんは母性本能強強なので、いい作戦かも……笑


そのころサージスさんは……

あ、ところで魔力増強の高級な奴は、ブライス君、サージスさんに買ってもらったと思うです。

「パーティーの仲間が困っているのは当たり前だろう、遠慮するなやる」

「いえ、ちゃんとお金は払います。っていうか、僕はサージスさんとパーティーは組んでませんけど?一緒に行動しているだけで」

「いや、じゃあ、それやるから、パーティー組もうな?な?」

「お金は絶対払います、支払終わるまで行動を共にする」

「いや、契約しないって、だから、パーティーをだな」

「……分かりました。では別行動で金策しますんで」

「あー、わかった、わかった!契約!」


みたいなやり取りをですな……(*´ω`*)


感想お待ちしております。

レビュー有難うございます。

それから、えーっと、よく仕組みが分かっていないのですが、サポーター??ありがとうございます!

いったいなんだこれは?!と検索しました。応援嬉しいです。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る