第5話 世界始動
神徒が完成したのでこれで世界を動かし始められると思いながらも、念のためと思ってやることリストを確認していくと、1つ重大なことを忘れていた。それは、信仰心を持てるほどの知能を持った生物を1つも作っていないということだ!
慌てて準備を始めたんだけど、もう同時進行で作らないと時間が足りなくなりそうなので慌てて作業を始めた。
慌てて作ったのでミスがあるかもしれないがとりあえず、完成はした。作ったのは身体能力が非常に高い獣人と細かい物作りが得意なドワーフ、魔法適性が非常に高いというエルフ、すべてにおいて平均的なヒューマン、ヒューマンの半分ぐらいしか背がないけど、ドワーフよりも魔力付与された物を作るのが得意なハーフリング、とにかく大きな体を持っていて非常に力が強い巨人を作った。そして、30個体づつ5~7の集団に分けて世界のあちらこちらに置いてみた。あとは世界の時間を始動させたら世界は完成するが、疲れたのでひと眠りしてからにしよう。
「おやすみなさい!」
「ノア、おい、ノア!起きろ!こんなところで寝たら風邪ひくぞ!」
体をゆさゆさとされて目が覚めた。起きるとそこにはゼンがいた。
「あ、ゼン。どうしてここにいるの?」
「どうしてじゃねぇよ。まったく何をどう考えたら、こんなところで熟睡できるんだ!」
少々怒り気味のゼンに言われて周囲を見渡すと、そこは自室のベットの上ではなく玄関扉の外だった。
「ゼン?どうして私はここで寝ていたんだと思う?」
「知らん。」
「それよりもできたのか?」
ゼンが私にしか聞こえないぐらい小さな声で聴いてきた。
「うん。」
私は頷くとゼンを連れて家の中へと入っていった。
「ここ」
私は起動させる直前の世界を指さしながら言った。するとゼンは非常に驚いた顔をした。
「おい、ノア。お前こだわりすぎだろ!これじゃあ、何か不具合が起きた時に手を出せなくなるぞ!」
「うん。それでいい。」
「そっか。」
私の顔を見てゼンはどこか納得したようだった。確かにゼンの言う通り、ふんわりとではなくがっちりと作っているため、世界の中の1か所で何かが起こると全体への被害の拡大速度は非常に早く規模も大きくなる。だけど、その分他の創世神に世界を乗っ取られる心配がない。だって、何か手を入れようと思えば一度完全にバラス必要があるからだ。
「さてと、ゼン今から始動させるけど見ている?」
「ああ、世界が動き出すところなんて創世神以外に見られる奴はほとんどないからな。こんな機会はもう二度と来ないかもしれないし、見ておくよ。」
「分かった。それじゃあ、始動させるね。」
私はそう言って世界に私の神力を流し込み始めた。
「うん、動き出す!……」
あ、世界の名前つけるの忘れてた。まあいいか。とりあえず何か名前を言って起動させないといけないって教科書に載ってたけどどうしよう。
「ゼン!名前何にしよう?」
「はあ?知るか!ノアが決めろよ!」
「それじゃあ、ゼンで!」
「それだけはやめろ!」
などと言っている間に世界は動き出した。
ちなみに名前を確認してみるとそこには『ノアガ』と書いてあった。
どうやらこの世界の名前はノアガらしい。
まあ、いいか。
創世神のお仕事 カエル @azumahikigaeru
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