第3話 ゴミ屋敷

「しっかしまあこんな家によく一人で住んでましたよね」


「こら、トクイ! 失礼だぞそんな言い方」


「でもそう思うでしょ? ミズタさんも」


「あのな、トクイ。俺たちはここに仕事に来てんだよ、口動かしてないで手を動かせ」


「でも誰が依頼したんすか? ここんちのばあさんずっと一人暮らしだったんですよね? 身内も誰もいなかったって言うじゃないですか。しかも自殺って、まああの部屋の状況じゃ死んでるんでしょうけど、遺体もないんでしょ?」


「そんな事は知らないよ。あ、でもアンドウが持ってきたとか言ってたな。ま、俺たち清掃屋は下請けなんだから知らんよ」


「でもこりゃあひどすぎますよ、何年ゴミ屋敷だったんですかねえ」


「そのために業界屈指の清掃屋の俺達が呼ばれたんだろ。なんたって俺たちにはアンドウが開発したスーパークリーナー777があるからな」


「本当にすごいですよね、それ。何でも落としちゃうんだから。驚きの洗浄パワーであなたの家をピカピカに。スーパークリーナー777! 笑っちゃうCMまで作っちゃって、すごいなアンドウさん」


「一応社長だからな。あ、今から俺、寝室の清掃に入るわ。お前はこの部屋頼むな」


「ミズタさん一人で大丈夫なんです? あの部屋すごいことになってるって話でしたけど」


「何年やってると思ってんだ。お前こそまじめにやれよ」




「ふん! ミズタさんはああ言うけど、実際やってらんないんだよ。確かに給料はいいけどさ、なんだこのごみの山はよお」


 独り言をいいながらごみを回収していく。


 その時、ごみが積まれていたカーペット下の床に地下室を発見する。


 トクイが地下室に入り込んだ数分後、トクイの叫び声が地下室に響く。


 そこにはバスタブに並々と注がれた液体があり、周りにはスーパークリーナー777の容器が大量に散乱していた。


「あー見つけちゃったか。ここな、そういうとこなんだわ。消せるんだ、遺体もな」

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