道に放(ほ)られたジュース缶の中身が、まだ残っている

水田 里(みずた さと)、夕島 夕夜

プロローグ

花園に憧れ約十二年前、小学六年。

神崎川ヘッドスライディングスという少年少女合同

ラグビーチームに「私」は、属していた。


ボール回しの時の癖は、去年小学五年の時に来た

七人制ラグビーチームの大学生から真似て覚えた

付け焼き刃的なものだった。


私は近所の大人からしか、物を学ばない。


それも癖の一つとしか言いようがないのだが、

一昔前のやかん水的強制力に抗うという

もう一つの癖が邪魔をして、十二年後、、

私は今、飽き性と化している。

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