復讐完了乙女は騎士になる ~復讐したらスッキリした~
projectPOTETO
第1話 ある少女の話
ある少女の話をしよう。
その少女は早くに両親を亡くし、叔父に育てられていた。
男一人手で育てられる少女だったが、何一つ不自由なく、毎日が充実した生活を送っていた。
料理下手な叔父の代わりに食事を用意し、元冒険者であった叔父からは運動がてら剣を教えてもらい、パーティーを組んでいた両親の話や遺跡や他の大陸の冒険譚を聞きて眠る。
どこにでもあるような、そんな普通の家庭だったそうだ。
しかし、ある時にその叔父が領主に連れ去られてしまう。
その理由は少女は伝えられなかった。
ここの領主ははっきり言ってあまりいい話は聞かない。
少女がそれを引き留めようとするが、叔父はすぐ戻ってくると笑い、家を出た。
だがいつになっても叔父の姿は戻ってこない。
用意した食事を一人寂しく食べ、強い雨風に揺れる窓に不安を感じながら眠った。
その不安は次の日の朝になっても続いていた。
帰ってくる叔父の為に食事の材料を買いに行くと広場に妙に人だまりができていたという。
何事かと思い、人をかき分けその中心を見た。
そこにあったのは叔父の首。
立て看板に書いてある文字はわからなかった。
置かれていた首に目を奪われたからだ。
少女は泣かず、喚かず、家に駆けこんだ。
手に取ったのは叔父が冒険者時代に使用していたというロングソード。
そして少女は―—
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