曇
雨音と思っていたが 中庭の滝だ、廊下に満ちているのは
昼まではもつという声しらしらと薄日さす朝食の銀鮭
乾いてもあおい紫陽花 乾かないわたしの骨は何色だろう
踝のようにうつくしい文字が手首になくて、蕾と呼んだ
どうしても海へとたどり着く仕組み 花筏 遺伝子に四季はなく
安心に慣れてしまったわたしたちなのに揃って波打ち際へ
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