Daily #6 雨と残業
「ただいまー」
私は帰宅して手を洗うとすぐにタオルを取り出してコートとバッグを拭く。いくら傘を差していたとはいえ、風が強くかなり濡れてしまった。
タオルを洗濯かごに放り込むとコートを脱ごうとして思い出し、私はため息をついた。
残業が長引いてしまい、電車の時間を気にして焦ってコートを着たお陰で裏地が噛んでしまったのだ。マイナスドライバーを使って丁寧に噛んだ布地を取り出す。
「これでよし! ……っと」
バッグの中身を出してコートとバッグをハンガーにかけて除湿器のスイッチを押すと、ティッシュペーパーでレインブーツの汚れを軽くふき取った。
「そういえば今日届く荷物、どうなったっけ」
夜に時間指定していたはずだが最終配達時刻の二十一時はとっくに過ぎている。荷物は受け取れないだろうと諦めていた。しかし郵便受けには再配達の紙が入っていなかったのだ。
スマホを操作して確認すると、『本日到着予定』となっている。
「……だめだこりゃ」
明日届いていなかったら連絡しよう。
そう決めて、冷蔵庫からお酒を取り出した。
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