『博物館』

やましん(テンパー)

『博物館』

 『これは、フィクションです。』




 ~古い資料から



 『オールド・トウキョウは、いまは、大部分が海の底にあります。


 大規模な地殻変動や、海面の上昇、いわゆる、 

放射線革命、などにより、1000年以上沈んだままでした。


 かつての房総半島の山岳部は、背の低い島として、まだ残っております。


 むかし、鋸山と呼ばれた場所の山頂付近には、『オールド・トウキョウ博物館』が出来ています。


 いまも、古い、大きな仏さまが、海面より上に出ていて、大体、風や、一部、太陽光を利用して走る船たちを、静かに見つめております。


 ここに渡るためには、伊豆の大室山港から、帆船に乗り、房総島に向かいます。


 しかし、海底火山が良く噴火するため、ちょっと危険で、料金も高めです。


 とは言え、富士火山が背後にありますから、つまり、せっかく、ここまで来たのなら、生きてるうちに行かない手はありません。


 オールド・トウキョウの海面から立ち上がっている、巨大な古代建築の群れを潜り抜けて眺めるツアーと組み合わせるのがお得。


 こちらあたりの海上には、いまだに、ひとの、亡霊が出ると言う伝説もあります。


 夜間は、幽霊は出なくても、実際かなり危ないので、立ち入り禁止ですが、違法な観光船もあるので、要注意です。


 自己責任になりますから。


 さて、旧鋸山の博物館には、江戸と呼ばれた時代から、トウキョウとなり、最後水没するまで、約600年くらいの、このあたりの各種遺物が、集まっております。


 やや、ガラクタの山と言う感もありますが、いまでは使われていない、電気を使って動かす、さまざまな家庭用の機械や、パソコンピイウタア、という、自分で考える機械が展示されていたりします。もちろん、殆どは壊れていますが、この博物館のすごいのは、生きている、パソコンピイウタアが、有ることです。全国で、ここにしか、ありません。


 それは、かの、巨大な古代建築の中にあった、きわめて頑丈な庫にしまわれていました。


 こいつを動かすには、電気を起こさなければなりませんが、そのための、発電地(ママ)も、見付かったのです。


 日に三回、デモが行われます。


 ただし、有料で、入館料のほかに、ひとり、おとな、1000ドリム(しょうにん、500ドリム。~ママ)掛かりますが、まあ、めったに行けない場所なので、ためしては、いかが。


 これは、なかなか、面白いです。


 まあ、魔法みたいです。


 小さな板みたいなところに、描いてもいないのに、絵が浮き出たり、それが、なんと、動いたりします。


 また、もう、びっくし、こいつが、喋るのですよ。


 太陽光を使う船は、今にも、いささか残されてきましたが、なぜ、走るのかは、まだ、あまり、分かっていません。何もないのに、とにかく、古代の帆を張れば、海の上を、走るのですからね。太陽の光を跳ね返しているらしいのは、解っていますが。


 さて、その、バソコンピイウタアとともに、たいへんに、小さな板が、いくつか見付かりました。


 学者さんが、いま、その使い方を調べています。


 しかし、そいつを、入れる場所は、大体、解ったみたいなのですが、なにかが足りなくて、あるいは、壊れているのか、まだ、動かせません。やがて、あなたが、解き明かすかもしれませんね。



   3035年。『いろんな若者の旅行ガイド』


         (旧人類研究社 刊行)


     🐜 🐛 🐝


 

        地球生物博物館所蔵

  

 



 


 


 

 


 

 


 


 


 


 


 

 


 


 

 

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『博物館』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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